信じるものは救われますか?
前のエントリーで『またこれで期間従業員の間に「絶望感」が生じるのでしょうね。努力と成果が相関しないということ(絶望感の元なのですが)それがトヨタの人事戦略の「転機」ということだけで災難のように降りかかってくる』と書いたのですが、なにも期間従業員の間だけにその「絶望感」が生じて蔓延するということではなくて、この国全体が絶望感に包まれているのだろうと思っています。
反貧困フェスタ2008
貧困問題の実態が「見えない」「伝えられていない」ために、自己責任論が横行し、無理解にもとづく報道・政策が後を絶ちません。反貧困ネットワークはこのたび、日本社会に広がる貧困の多様な実態を伝えるために、多くの諸団体と協力して「反貧困フェスタ2008」を開催します。
という催しがあったそうですね。ニュースでやってました。連合の高木会長も出席したそうですね。
そのニュースの前には岡山突き落とし事件について報道していました。この事件の犯人である少年は強く大学への進学を望んでいたのですが、経済的な事情から今春の進学を断念したそうですね。
東京新聞:『就職先ない』同級生に 岡山突き落とし 逮捕少年、前日も職安へ:社会(TOKYO Web)
少年は強く大学への進学を希望していたが、昨年秋、経済的な事情から今春の進学を断念。周囲に「仕事をしながら金をため、来年の進学を目指したい」と話し、事件前日の二十四日にも就職活動をしていた。
少し前、と言っても20年とか30年前とかだと「経済的理由」で進学を諦めるというのがごく普通にあった時代もありました。ボクの姉たちもそんな理由で定時制の高校や大学の二部に働きながら通い卒業しました。そんな時代は確かにあったのです。長姉はいわゆる集団就職、紡績会社で働きながらの修学でした。15の春、自分の運命をどう納得なせたのか、ということはボクには分かりませんが、その給料のほとんどは弟達のために使われました。
しかし昨年秋、少年は高校に進学断念を伝えた。「親から『貧乏だから、今年の進学はやめてくれ』と言われた」
今の世の中に、そんなことがあるとは思っていない人が、きっと、かなりの数いると思っています。貧困があるなんて感じてない人もいるのだろうと思います。
大学を選ばなければ、例えば二部や通信という方法もあるのでしょうが「医学部に行きたい」というほどの成績は、きっとそのことを許さなかったのでしょうし、努力もしたのだろうと思います。
努力は報われますか?
前のエントリーにも書きました。その時はトヨタの登用数減少でどれほどの期間従業員が、報われない努力をしなければならないかを書きました。企業の「転機」という理由からです。
努力の差ですか?
努力しても、貧困の壁が邪魔をする。
もっと努力をしなければならないのでしょうか。普通の家庭に生まれた子供たちは、何も考えないで進学し、何もしな大学生活を送る人もいる。その差はなんなのでしょうか。
貧困の連鎖は、こうして作られますか?
学校に行けない子供は、学校に行けない子供を作る。学力ではなくて経済的理由で。
そして何よりも問題なのは、努力が報われないという意識が国民全体に蔓延することだとうことです。
現在の日本は職業、家庭、教育のすべてが不安定になり2極化し、「勝ち組」「負け組」の格差が拡大している。「努力は報われない」と感じた人々からは希望が消滅し、日本は将来に希望が持てる人と絶望する人に分裂する「希望格差社会」に突入しつつある。『希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く 』山田 昌弘
ということだと思います。
努力したら報われる、とか、勉強したら進学できる、なんてことを信じられるかどうか、その差が今後拡大するのだろうと思います。内田樹先生の言う「努力についての動機づけの差」や「学力についての信憑の差」によって、子供が育つ環境によって更に拡大するということなのでしょうね。
いえ、今回の事件を「貧困」の1点で片付けるつもりで書いているのではありませんし、まして少年が犯した罪は重大です。償いきれるものでもないとも思います。
ただ、貧困ということがあって、努力が報われない人たちがいて、それでも努力したら報われると信じていて、努力をするのだけれど、どうにもならないことが世の中にあふれ出しているのではないかと思っているのです。
絶望するときというのは、きっとそんな時なのでしょうね。やってもやっても何かが邪魔をする。何か得体の知れないものに運命を左右される、のだろうと、思います。
父親によると、前日の夜、駅から一緒に帰宅途中、少年がこの日も職業安定所を訪れ、五カ所ほど就職先の候補を探してきたことを知り、慌てないでゆっくり考えるよう諭した
リンゴさん、こんばんは。
えっと、よくテレビなどで紹介されますよね。
なんかボクには合わないような感じがしたのですけれど、きっと、それは、彼女の強烈な自信、というものが、そうさせるのだろうと思っています。
てか、怖いというか…。
良い家庭教育のホームページを見つけました!
「子育てぶっちゃけマガジン」のHPアドレス
http://www7b.biglobe.ne.jp/~kyouikusaisei/merumaga/merumaga.html
NPO家庭教育再生機構のHPアドレス
http://www7b.biglobe.ne.jp/~kyouikusaisei/
>やだちなさんへ
「ひとりで生きられないのも芸のうち」を読んだのかな?ま、上野何某とは意見が合わないようだし…。ボクは好きですけれど。
今日のエントリーにも書いたけれど、絶望しない、諦めないという強い精神力、ま、精神力というようなものよりも、単純さとかでもいいけれど、そんなのが必要なのでしょうね。
んでも、ま、10代の頃ってのは、ギリギリのところで生きてるから…。
>ぷっくるさんへ
そうですね、子どもの教育にかける金額の差も出てきて、スタート地点が違いすぎますもんね。
いくら「信じろ」と言っても、差がつきすぎていて、もう追い越せない状況にあるとしたら、やっぱり諦めてしまうだろうし、親も「どうせダメなんだから」なんてことになってしまうのでしょうね。
トヨタ学園に、というのもひとつの道なのでしょうが…。
>ぐるりんさんへ
インテリなのですかね。
う~ん、ま、大卒だと服に書いているわけじゃないから、言わなきゃ分からないかもしれませんね。
上司は分かるのだろけれど、きっと「オレ、大卒でさあ」なんて本人が言ってる場合もあって、場合によっては、そのひと言で嫌われるってことも…。
今は、大卒という資格はそれほど珍しいものでもないように思いまし。
ま、それでも、現場では、上司次第なのでしょうね。
>今井Kさんへ
薔薇のない花屋…最終回だったのですね。一度も見なかったよ~。
そうですね、いろいろあるということを知らないですからね。それに時間もたっぷりあるってことも。
その頃って、ボクもそうでしたが、焦りすぎますよね。ま、なにもかもに。
その歌をボクも知らないので、今度教えてください。
ハスキーな鶏かあ…。
>Fさんへ
ま、いろいろな条件とか状況とか、精神状態とかが悪い方に向いたのでしょうね。ただそれだけではないでしょうから。
えっと、刈谷ででしたよね?ニュースも見てないし、http://clear-water76.jugem.jp/ で知ったのですよ。
亡くなった方は、きっと、そのような状況だったのでしょうね。
しかしマスコミも弱腰ですよね。どうせ分かるのに。ま、警察の発表ということもあるのかもしれませんね。
だとすると、警察も弱腰、って、それで良いのかと思いますけれど。豊橋で起きた車上あらしはトヨタ社員って発表したんじゃなかったかなあ。
ま、死亡事故と車上あらしでは比較し様がありませんが・・・。
ありがとうございます。
仮にその進学断念が事件を起こした主原因だったと
したら、単なる甘ったれですね。その少年のような
状況に陥っても、懸命に生きている人は数多いると
いうのに。ただ、社会の仕組みもどこか狂っている
ような気もします。
狂ってるで思い出したのですが、先月、飲酒運転の
乗用車が対向車と衝突して、飲酒運転の車に同乗
していた一人が死亡するという事件が愛知県で
起きましたが、運転者と同乗者はトヨタの社員
でしたね。このあたりもどこか狂ってるというか…。
運転者はさすがに懲戒解雇になったようですが、
運転者の方が年上だったので、亡くなった方は
運転者に飲酒や飲酒運転を控えさせることが
出来なかったり、また、同乗したくなくても
断れなかったのかもしれないなぁ、なんてことも
思ったり。
そういえばこの件は、多くの新聞が
「会社員が飲酒運転」というような表現でした。
あまり表沙汰にならないあたりはトヨタパワー
なのでしょうか。
あと、遅くなりましたが、期間満了お疲れ様でした。
でも僕はあえて言いたいんだ、
「それでも人生は素晴らしい」
って。
薔薇の無い花屋の見過ぎですかねw
最近の若いって短絡的過ぎなんだよね、
道なんて星の数だけあるってことを
周りの大人が教えてあげないと行けない気がするのですが。
あと、
倒れたら立ち上がり前よりも強くなる
って串田アキラが
宇宙刑事ギャバンで歌ってたことも
おしえてあげたい。
このブログを見ている人は圧倒的にインテリ系が多いと思います。
漢詩などを書いたブログはヤンキーは読まないと思います。だから大卒の人を嫌わないでください。
企業は、大卒の新卒者を採用実績とコネ目当てのためだけに採用します。仕事は中途採用者がやればよい、新卒者はコネがない人はやめてくれ、という感じです。で、30~40代にかけてリストラされます。1、2社会社をかわると(40歳前後)もうホワイトカラーにはなれません。ガテン系の仕事に就くようになり、溶接の免許などをもっていて給料の安い高卒者が有利になります。
大卒者が工場で高卒のお兄ちゃんにこきつかわれた、なんて話はよくききます。
大卒者で生き残るのは仕事が出来るスーパーマンかコネを持っている人たちなんです。
経済格差の拡大→教育格差の拡大→以後ループですかね・・・
やり直しの効き辛い日本社会の問題の根は深いです
>そして何よりも問題なのは、努力が報われないという意識>が国民全体に蔓延することだとうことです
これが一番辛いというか、重大な問題でしょうかね。
一人一人のモチベーションも下がっていきますし。
内田樹に「先生」がついているのだけが納得できないけど
でも、そのほかの管理人さんの書いている事、よくわかる。
刑事裁判なんかを傍聴していると、8割以上が金銭問題に
起因しているし、裁判官の「貧困」への理解度も低い。
自身が、進学を諦めるという思いをした事がないから
偉そうにはいえないけれど、「貧困」は努力では
いかんともしがたいという現実がある以上、他の手を
考えなければならないのだろうね。
管理人さんに甘いと笑われそうだけれど、努力が
報われなくても絶望しない、という考え方を
身に付けられれば少しは楽になるのではないかと思う。
強い精神力が、努力よりも先に必要とされているだろうし
また、より効果的なんだと思う。
、、て、言うのは簡単だけどね。
ごめんなさい。