カイゼンできなかったトヨタのカイゼン

派遣切り、期間工切り、はどんどん進んでいるようですが、どうも100年に1度の危機という割には、昨日も書いたように公務員には危機感もなくて、犯罪を犯したとしても停職処分だけで済まされる、ということに驚かされます。財政危機だと言いながら何もしないということになれば、その能力も問われるだろうし、企業からの税収入に頼っていたという依存体質無能体質を露呈することになるのでしょう。
財政が潤っているときはジャブジャブと使い、それだけではなくて裏金、公金詐取、着服なんてことを繰り返していた罪は、何らかの形で償わなければならないと思います。償うどころか愛知県などは、着服しようが女子高生のスカートの中を盗撮しようが、停職処分だけという、これまた裏金体質丸出しということで、無能な役人がトヨタなどの企業からの税金のおかげで公務を執行できていたということなのだろうと、呆れています。それならば、たぶん、小学生でも出来るのではないかと、考えているのですが。来年の人事院勧告では1割2割の賃金カットはあるという認識で全ての公務員の方々はいるのだろうと思っていますが。
「巧遅拙速」というのがトヨタのカイゼンには求められるようですね。確かに「とにかくやる」ということで改善が進められていました。上司も「やる」ことを否定しない。肯定の中から最善を求めて行く、という方法を取っていたように感じました。
そういうトヨタ生産方式の利点が発揮されずに、例えばコストカット手法だけが流布しているようにも感じます。どうしたら人件費を抑えられるか、どうしたらタクトアップ出来るか、なんてことばかりが導入した組織で行われる。そのことだけを抽出して美化するということが行われているように思います。
例えば郵便局、時給700円~800円の非正規労働者が多くなり、そしてその人たちをどのように効果的に使うか、ということが正規職員に教育される。そして仕分けの迅速化とかテープなどの文房具、備品をいかに無駄なく使うか、ということだけがクローズアップされて、そして厳格に実行される、そう感じています。
実は、カイゼンというのは人に優しい、働きやすい職場作りを、最初は目指していたのだろうと思います。「こうやれば楽だよね」という労働者の痛みを取り除くために、みんなで知恵を出すことがカイゼンだったように思っています。トヨタの現場では、今でもそれが第一義のように感じていました。
それがいつからか、コスト第一主義になっていって、労働者が身体よりはコストカットが重要視される。あるいは労働者の幸福よりは企業の利益(企業は株主のものですから結局は株主の利益、株価という得体のしれないもの)が重大視される。
そうなるにいたっては、「巧遅拙速」ではなくて「巧速巧速」と移行してしまう。株価は毎日変動していますから…。と思っています。先が見えない、あるいは見ようとしなかったのかもしれませんね。
そして売れなくなると大技「エコ替え」なんてカイゼンを破廉恥にも行う、ということが一部に顰蹙を買い、更に売れなくなる原因にもなっていったのだろうと思います。今回の金融恐慌で国内販売が減少してきたのではなくて、すでに減少下にあったのですけれど、うやむやに出来て、一部のひとたちは喜んでいると聞いていますが。全てを「アメリカ発金融危機」のせいにしとけばいいのでしょうから。(と余談はいいとして)
「人」ということが全ての前提にあったはずなのです。カイゼンにしても企業の存在、利益にしても。行政にしてもそうなのですが、どこを向いているか、ということがどうも曖昧になっているようにも感じます。
今朝のニュース番組でも言ってましたが、この危機に至っても国会議員切りも行われないですしね。公務員の給料を3割カット、その分で雇用拡大できるだろうに、なんて考えていますけれど。なんか不都合でもあるのでしょうか?特に不祥事の続出した自治体の知事なんてのは、ボーナスも返上するぐらいのことをいないと、と思っていますが。

8件のコメント

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    こんばんは
    確かに力関係は、“大企業が1番”、“国は2番”という感じがしますね。
    国が新規構想立ち上げ時や変換点に於いて、内容に応じてその道の代表的な企業の経営者を委員として構成員に参加し、自社に有利なように構築させ、結果的に国は傍観者になってしまい何も学習することもせず、“その道のプロフェッショナル”がああ言ってんだから、一番効率的なんだろう…。で“タカリ・ユスリ”のお膳立てをされたことに気づいておらず。
    国(消費者含む)に対して“偽装”や“隠蔽”をし…。
    例に揚げてみると…、実際組立完成させてみたら、○輸省に提出した新型車の申請書に記載した車重より軽くなってしまったため、トランクルームに計画構造にないウェイトを黙って忍ばさせたり(20~30年前だったか)FJ重工(旧N島飛行機)、最近でも、同様な事が五○鈴であったような…。○衛庁発注の飛行艇生産で主契約新明○工業(旧KW西航空機)で翼部分製作担当FJ重工で、贈賄発覚し確か担当していた議員もされていたN島さんは自殺されたという悲しい結末だったような…。また、前輪が走行に外れなんのおちどもない方の命を奪ったり、その後調べたら“危ない隠し事”を沢山していたことが発覚したり…。
    これらを見ると何れも、“お役人さん”と“お付き合いの永い”旧財閥系か軍事企業かだなぁ“国を熟知”したうえで“お役人さん”を“バカにしてんのかな?”と思って見てます。テレビ等報道では、国から主要企業に早急な対応を“指示した”なんて言っているけど、発表前に国→代表的企業各社を周り お伺いしているのかもしれませんな…。国も大衆の前では“メンツ”がありますからね。
    もしかしたら、国の配給するエサをに群がる白アリ国家なのかも知れませんね。そしていつも被害者は、一般大衆?
    思いつくまま書かせて頂きました。
    すみません。 

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    どうも日銀の「白川さん」だっけ?介入は"様子見"でなくてシナイつもりみたい!したらそのタイミングで$売り始って「日本国」大損しちゃうもんネ!!
    今の所、金融機関と大企業の"テコ入れ"しとけば…みたいな!?「そのうち日本市場の魅力無くなれば、自然に円安なるしね!」
    弱い立場の労働者の方々"お国の為に死んでくれ!!"
    「ハイ!喜んで!」なんて回転寿司じゃあるまいし…
    葬儀屋サンが繁盛しない事だけを祈ります。

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    つまり、新車が売れないというこのご時勢にもかかわらず、新規顧客として生き残りの道を選んだという、強い信頼関係の上での気持ちを汲んでいただけたら、すごくありがたいことです。

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    以前一緒に仕事をしていたことのある若い社員さんとかも見ていてくださっているかもしれないので、申し上げるのですが、派遣の窮状に限らず、どこも今は生き残りに必死です。
    そんな中、相変わらず国会で居眠りする体たらく議員や怠慢な公務員がいれば、何やってんだ、と国民のひどい非難にあうのは分かりきったことです。
    国民の多くはたったこれだけの(と言って指で示して見せながらも)収入を得るために、厳しい冷たい風にさらされながら生きている。戦後最長といわれた景気回復が終わり、企業は生き残りに追われ、個人貯蓄のほとんどない人だってたくさんいるのです。
    それで、長い期間かかってようやく芽を吹いてきた正規雇用促進のための助成金の話も、トリックルダウン仮説による恩恵を考慮しなかった大企業の利益追求主義の反省もないまま、再び組合の組織票をバックにして、芽を摘んでしまおうとするなんて、ほとんど天に唾するようなものです。

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    国民のためにと考えているなら、大量に非正規雇用を雇い、あっさりと切り捨てますか?現場ではムダ使いしながら、下請けにあそこまでコストカットを要求しますか?
    派遣切りをして社会不安をあおり、業績悪化をことさら矢継早に発表して来年のベースアップを抑え、なおかつアメリカのビッグ3の動きを見ながら、公金注入のタイミングを待っているんですよ。
    この国の政府が、国民のために働くワケがないことを一番よく知っているのは経済界だし、政治が彼らの言いなりなのもわかったうえでやってるんです。
    だからこそ始末か悪いんてすが…。
    笠山さん、ブログをふたつも抱えてるんだから、しばらく返レスはつけなくていいんじゃないですか?

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    田原笠山様 こんばんは。
    日本は、何も無い国だと思います。
    資源がない→外国から材料購入→加工→輸出を生業としていかなければならないことは、理解出来ます。入口も出口も外国との関わりが必然的に発生すると思います。
    上記の流れの中で、関係諸外国の雲行きを察知する“触角機能”がない。
    逆流防止用の“逆止弁”がない。
    逆止弁が無いならないなりに“内部構造を強化していない”(脆弱なまま)
    上記の本来であれば予め用意しておかなけれはならない“非常用持出を全く用意していなかった”
    “”部分は全て公僕がやることだと思うのですが…。
    こんな資本主義国って、なんか危ないなぁ…と感じてます。
    国によっては、周辺国で核をぶっぱなしても、国民を守る核シェルターを保有している国もあるというのに…。
    思いのまま記させて頂きました。
    すみません。

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    「カイゼン」が利益第一を考えているなら正社員をリストラして非正規社員を雇用するのが一番いいのに。
    なんだか配当金を減らすらしいけどそんなことしたらもっとトヨタのイメージ悪くなるのではないでしょうか?

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     今の、非正規雇用労働者の失業問題は、各企業が政府に対して、お前らも国民のために仕事しろと訴えているように思うんです。
     トヨタにしてもホンダにしても国内市場より海外市場で車を売ってるじゃないですか、いわゆる加工貿易で国を豊かにしよう頑張ってたと思うんです。
     でも昨今の政府のていたらくを見て、嫌気が差して、やってられるかバカヤロウと思ってたんじゃないでしょうか。
     そこに急激な景気の悪化が起きたのを機会に、無理やりにでも政府に国民のために仕事させようとしてるのではないでしょうか?
     
     

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