傷ついた鳩をどうしようも出来なかった夕方の公園

少し嫌なことがあったので午後から散歩したりした。
公園でチョコモナカジャンボを食べた。ついでに薄皮つぶあんパン3個入りも食べた。午後4時あたり。鳩がいる公園には、夕食前の散歩の人とか休日のルーティンとなっているのか親子連れとかで賑わっていた。ボクがベンチに座ってチョコモナカジャンボを食べ始めると鳩が寄ってきた。
人なつっこい鳩たちなのだけれど、猫や犬のように身体を触らせるほど自分たちを安売りはしていない。どこかで人との関係に一線を引いていて、餌は貰っても芸はしないぞ、という矜持みたいなものを感じさせていた。
ボクはチョコモナカジャンボとアンパンを鳩たちに分け与えた。もう50センチほどの距離に鳩たちはいた。猫や犬だったらきっと足に擦り寄ってきて「ニャ~」とか「グルルル」なんて喉を鳴らだろうとボクは考えていたのだけれど、そういう媚を売る行為は一切なしだった。
一羽、足に糸が絡まっている鳩がいて、どうも歩きにくそうにアイスやパンを啄ばんでいた。そのことで足と足首なんてところを痛めているのだろうと思った。そして飛ぶのも不恰好だった。
ボクはそいつを捕まえて、足に絡んでいる糸を解いてやろうと思った。そして試みた。それでもその鳩はボクの与える餌を食べるために50センチの距離までは来るのだけれど、ボクの手が50センチ以内に近づくと飛び退く。
ボクはホッチキスに電話して「えっと、こういう場合はどこに電話すればいいんだ。警察か、消防か」と訊ねた。警察だろうということになった。崖っぷち猫も矢鴨も警察官が捕獲していたように記憶していた。そういう結論になっても、ボクは迷っていた。
電話して警察が来るまでそこに待っていて「あ、お巡りさん、ここ、ここです。あれ、あの鳩です」と、その捕り物を最後まで見届けなければならないだろうと想像した。それならば良いけれど、警察が来るまでにその鳩がどこかへ飛んでいったら、警察が来た時に「今までいたんですけれど」と言って、調書を取られるのだろうかと、また想像した。
それよりも、警察がボクを取り囲むだろうから、そのボクの家の近くの公園にいる人たちは「あ、あの人何かしたのかなあ」なんて思われはしないかと、そういうことも考えた。
ボクはその鳩を捕まえてから電話することを思いついた。そして鳩に襲い掛かった。だけれど、手負いの鳩とは言え、野生の俊敏性には勝てるはずもなく、鳩は1メートル先に一度飛んで、着地したと思ったら、そのまま上空に羽ばたきそれから横へ飛んで屋根の向こうへいなくなった。
ボクは少し安心した。
なにか厄介なものが目の前から消えた安堵感みたいなものがした。
安堵感の後に罪悪感が訪れた。いろいろな思いが去来した。
嫌な気持ちになった。足に絡まった糸は自然に解けるということはないだろうと思う。となると、不自由な身体のままあの鳩は一生を終えなければならないのだろう。ボクが面倒くさいと思ったばかりに。あの時間にあの場所にいたのがボクではなくて、もっと勇気のある人だったらあの鳩の運命も変わっていたのだろうと思うと、なんと鳩の不幸なことか。
出会いなんてのはそういうものなんだろうと思った。
たぶん、ボクは、これまでも同じようなことをしてきたのかもしれないと思った。
それでもその鳩のことはそのうち忘れてしまうのだろうとも思った。そしてまた同じようなことを繰り返すのだろうと思った。きっと。
公園の鳩

13件のコメント

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    元生保関係さん、こんばんは。
    はい、すみません、次は必ず…。
    そうですね。10年とか20年とかの。簡保なんてのもあったけれど。
    ま、強く思っているのですが、どこかに就職して社会保険にと思っているので。
    これからずっと加入しないということではないのですよ。タイミングが…。
    そうですね。ありがとうございます。

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    こんにちは。とっさには思いつかないものですからね。次回もし見かけたら、助けてあげて下さい。
    記事と関係ない話ですが、医療保険で20万円の生存給付金があるモノは、だいたいが定期保険ですよね。
    国民健康保険未加入なら、ご加入されるのを強くオススメします。
    元上司がよく言ってましたが、お金持ちは保険に入る必要性は無いと、余裕があるし、何百万もする先進医療費がすぐにだせるから。本当に必要なのは危険な作業をしている人たちや、子供がいるギリギリの生活している人たち、あと保険証の無いたち。
    年齢を重ねていくほど何かしらの体のリスクも高くなりますから。

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    >シローさんへ
    コンビニ強盗にひったくり、名古屋は毎日のように起きているようですね。豊橋や田原は安全なように感じましたが。そういえば監視カメラ付き自販機が何度も壊されたのですよね?
    そうですか。三河湾大橋のところの公園(バーベキュー公園?)あたりも魚釣りの人がけっこういたような。
    ええ、けっこう行っているみたいですね。田原は暇なのでしょうね。
    >元生保関係さんへ
    そうですね。咄嗟に思いつかなくて。
    警察、消防、それぐらいしか。
    >hiroさんへ
    あ、いえ。最初から払っていません。
    少しぐらいの病気なら市販薬で治るだろうし。それでも不安になるときはありますよ。怪我とか外科的な病気とか。
    >北斗星さんへ
    ども、お久しぶりです。
    おじゃまはしていますが…。相変わらず変なのが来ているようですね。うちもそうなんですが。ひとり困ったちゃんがいて。
    ボクは慣れてないもので、そのことで躊躇したってのもあるのですが。写真ほどの距離にいたので、思いっきり行けば捕獲できたでしょうけれど。
    なんというか、同じような境遇のように思えたもので。

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    お久しぶり…ドカチンのバイトでヘロヘロになってます。
    僕はとっつかまえてリュックに鳩を放り込み、自宅に連れ帰りました。鳥の扱いはわりと慣れてますからね。苦労して糸を全部取ってやりましたが、指は1本腐って落ちていましたし、完治することはないとは思いましたけど…。
    外に放してやったら、しばらく隣家の屋根の上でキョトンとしていました。何が起こったのか理解できなかったのでしょうね。
    同じ人間の責任だし、そういう気持ちすらないバカが多い中、笠山さんのような人間は貴重な存在かもしれませんね。

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    すいません。健康保険は分納とかにしてるかなと思ってました。

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    こんにちは。動物愛護団体に連絡すると良かったかもね。

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    なぜか警察の文字にひきつけられました。(笑)
    この前、路肩に車を停めて休憩していたら、最近は物騒だからと職務質問されました。職質って、嫌なもんです。愛知県はいろいろと犯罪が多いからね。(苦笑)
    豊橋は引ったくりが多いのです。
    さて、ボチボチと釣りに行く準備をします。アイシン・エイ・ダブリュ田原工場の横(風車のあるところ)や愛知海運の横では、8~9月はハゼが入れ食いです。今は白谷海浜公園や西の浜でキスが釣れ始める時期です。
    堤工場ではプリウスが好調ですね。新聞によると、田原工場からも応援にいってるみたいですよ。

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    >ほーむれすさんへ
    そうですね。思ったのですが、人が傷ついていたらどうだろうって。鳩だから「いいや」って気持ちになったのだろうってね。
    捕まえようとしたことも、必死ではなかったと自分で思っていますし。
    最近は精神的に疲れていて、いろいろな自分が出てきます。
    >MUKUさんへ
    塚原ですか。昔行ったことがあります。というか、安心院とか湯布院なんてのはよく行ったいたので。今のように派手になる前のことですが。
    この前に掲載した写真の猫も野良で、こいつは声帯がいかれていました。手術でそうなったのかと思いましたけれど。
    野生の世界は死と隣り合わせなのでしょうが、見殺しにしかできないということはなんとも無力というか、ま、それでもしかたないのかなあ、なんて思ったりもしました。
    明日は自分の番だったりするのでしょうし。
    >hiroさんへ
    ボクも払っていませんよ。
    負担になったというか、使わないので。必要な時は実費で、なんて考えていましたし。ここ十数年、健康保険の世話にはならずに支払いばかり続けていました。
    民間の医療保険なんかだと「10年間健康だと20万円のボーナス」なんてのがあるのに、健康保険はなにもないですからね。それどころか、国民健保は過去の支払わなかった分も遡及して支払いを求めてきますから、たちが悪い。
    「かなりの負担になったのでしょうか?」というと??
    年金は全免を受けていますが…。

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    鳥の怪我可愛そうですね。
    怪我で思い出しましたが、私はまだ国民健康保険の手続きをしてません。かなり高額になったらと思うと怖いです。
    田原さんは、国民健康保険を毎月支払っているのですか?
    かなりの負担になったのでしょうか?

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    何年か前に九州を旅したとき、湯布院奥の塚原温泉にある小さな神社にいた猫の事を思い出しました。参拝を終えて帰ろうとすると白い猫がよってきました。よく見ると前足の1本が折れていてブラブラになっていた。他に人もいなかったのでしゃがんで撫でてやったら人なつっこく、食べ物が欲しいわけではなかった様でした。野良なのに体が不自由になってしまっていつまで生きられるのかなと思うと、「生きているうちは優しくしてね」って言っているみたいだったな。しばらく相手をしてやって立ち去ったのですが、猫はその場にねころんだまま見送ってました。

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    すごくわかります。
    そのあと一歩の勇気が出ないことがよくあります。
    そして後で後悔します。いつもです。
    誰か友達一人いれば言えるんですが・・・。

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    御巣鷹さん、おはようございます。
    ま、分け与えるというか、目の前にいたので。
    調子が悪いのですか。
    なかなか先が見えないかもしれないけれど、何かをするということも大切かもしれませんね。
    ボクも、時間を無駄に過ごさないために、またなんか資格でも取るかと思っています。資料が揃ったところで何にするか決めますけれど。2年、3年計画で。
    笛も吹くのですが(もう吹かなくなって10年はなりますけれど)それもまた始めたいなあ、と思っています。でも音がうるさいから、部屋じゃムリなので。
    なんか良い考えはないですか?
    公園とかは考えているのですが…。

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    食べ物を分け与えられる心があるならば大丈夫です!
    またその鳩もきっと次に出会う人が何とかしてくれるでしょう。
    自己嫌悪を引きずると、僕の様に精神が蝕まれてデパスなんかの薬を服用することになりますし。笑
    まぁ、これがまた図太い性格に変われる訳もなく結局は苦しんでます。笑

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