雨だね。
昨日今日とブログやサイトのデザインを変えていました。少しずつ少しずつ変えるので時間がかかってしまって昨夜は徹夜しました。徹夜したのだけれど、昼間は起きていて、夕方から雨の中桜を見に行きました。
雨音に重なるように桜が落ちてゆく。
入学式の前には散ってしまうのだろうね。少しずつ開花が早くなっていると言われている。寒い地方ではこれからなのだけれど。
小学校の校門の横に一本桜があった。
たぶん、どの学校にも桜が植えられていて、入学式には決まってその桜をバックに写真を撮るのだろうね。ボクも母親と一緒の写真があった。ブレザーに半ズボン、新しいランドセルは皮製で、あの頃はまだ廉価品が流通していなかった時代で、小学校に入学するのにはけっこうお金がかかっただろうと思う。
机も家具屋さんが持ってきてくれた。
保育所に行くのが嫌いな子供で、いつも行かないと泣いていた。母はずいぶん心配したのかもしれない。そういった心配が身に着けるものや机なんかの値段になったのだろうと思っている。
きっと、そのために、何かが犠牲になったのだろうけれど…。
写真も、あの頃は、ちゃんとした写真屋さんに写してもらっていた。母にとって末っ子の入学式は、喜びよりも不安や哀しみのほうが大きかったのかもしれない。卒業式のように。
ボクは、少し大人になった気分だった。4歳上の姉と一緒に学校に行けることも楽しかった。何よりもまだ夢や希望がポケットにいっぱいに詰まっていた。落ちる桜を見て哀しいなんて思ってもいなかったのだろうし。あるいは桜はいつもその咲いていると思っていたのかもしれない…。
雨だね。
誰もいない公園に行くとあの頃の思い出がそこいらに散らばっている。雨の音に重なってひとつふたつ思い出してしまう。