ヘアカットの日

4月5日は「ヘアカットの日」らしい…。

OCN TODAY:今日は何の日: 4月5日はヘアカットの日
1872(明治5)年、東京府が女子の断髪禁止令を公布したことにちなむ。

という訳ではなくて、なんとなく、髪が伸びていたので散髪に行ってきた。豊橋のタクシー運転手は帽子をかぶる。制服として帽子がセットになっているからだ。個人タクシーの人たちは制服がなく自由なので着帽している人もほとんどいない。
帽子をかぶらなければならない理由は、どうなんだろう、整髪しなくてすむ、とか、ハゲていても分からない、とか、ツバの部分で日除けが出来る、とか、おおよそ運転手に好都合なものばかりのように思う。
お客様の立場としては、食堂ではないのだから髪の毛が混入するようなこともないし、さして困らないし不潔と感じることもないと思うのだけれど…。運転手という職業には帽子がつきものなのかもしれない。電車やバスの運転手、飛行機のパイロット、宅配便のドライバー、みんな帽子をかぶっている。
工場なんかではヘルメットや帽子は頭を保護するために着用する。帽子を着用するのとしないのとでは、何かにぶつかったときのケガの度合いにかなり違いがあるのだろうから、それはそれで意味があるものだと思う。じゃあ、運転手の帽子もぶつけた時のための保護帽なのかというと、どうも違うように思う。
やっぱり接客業なので清潔感を出す、ということなのかもしれない。保護具として事故や震災の時に頭を守るということも多少あるにしても。
着帽していてもやっぱり髪はちゃんと散髪して整髪するのがお客様に対しての礼儀なのだろうと思う。「襤褸は着てても心は錦」なんて包容力のある優しいお客様ばかりではないし、「身支度もキチンと出来ない人がキチンとした運転を出来るはずがない」と多くの人は思うに決まっている。というか接客の基本は身支度だろうし。
挨拶や言葉使いなんかも重要だけれど、第一印象はやっぱり目に見えるところを整えているかということなのだろうと、思う。洗車とかもそうなんだけれど…。
ということもあって、タクシー運転手になってからは散髪に行く回数が増えた。と言っても二週間に一回なんて頻度ではなくて、一ヶ月半に一回程度なんだけれど…。
いつもサンキュウカット(3Q CUT)に行く。中野店に行く。安い、というのもあるのだけれど、早い、というのも利用する理由なのだ。昔のような床屋も嫌いではないけれど、面倒くさい時のほうが多い。長い時間ジッと座っているのも窮屈に感じる。その長い時間、沈黙しているというのも退屈だし、オヤジの話を聞くのも、それに相槌を打って話をあわせるのも億劫なのだ。
床屋は早いほうが良い。そう思うようになった。髭剃りや洗髪なんてのはオプションとして別料金であれば良いと思う。サンキューカットはオプションでもないのだけれど。それにそういうシステムにしてしまうとスペースの問題とか待ち時間の問題とかも出てくるのだろうから、割り切って「うちはカットだけだもんね」としたほうが良いのだろう。そしてボクたちもそれを望んでいる。
いちいち時候の挨拶やら近所の話題、政治の問題なんてのを話すなんてことはなくて、椅子に座ると
「どうしましょう」
「1ヶ月分カットしてください」
「はい、わかりました」
チョキチョキ…。
10分後には
「ありがとうございました」
と、店を後にする。これで1000円。ちょっと散歩のついでに、ちょっと昼休みに、ちょっと気になったもんで、なんて「ちょっと」の間に散髪が出来る。その気楽さも良い。
最近は女の子や女性客も多くて、今日も半分以上は女性客だった。ま、床屋ではなくてカット店だからそれはそれで問題ないし、カットだけなら美容室に行くよりも安いし早いだろうし…。女の子の場合も「わたしがカットするよりはねえ~」なんて母親もいるだろうし…。
中には「髪を雑に扱われる」なんて人もいるのだけれど、どうなんだろう、忙しい時は確かに忙しく扱われるけれど、それは店というよりもその店員の問題だろうし……。
床屋には床屋の良さがあるのだけれど、ボクのようにそれがちょっと面倒だったりする人にはサンキューカットやJUNKのような散髪屋は良いかもしれない。それが「ちょっと面倒」というよりも、安いからというのが多くの人の理由なのだろうけれど。
そう考えていると、タクシーの中での運転手の話も「ちょっと面倒」なんて人も多いのかもしれないと思った。静かに車窓の風景を眺めていたい人もいるだろうし、ボクが床屋で感じるような窮屈さや退屈さや億劫さをタクシーに感じている人も多いかもしれない。
きっとそうだろうと思う。
そうなるとサンキュータクシーのようなものが必要なのかもしれない。というか、乗車時間はお客様次第なのだけれど…。バスや電車は対人的な煩雑さとかないから、移動手段のサンキューカットなのか。そう考えると、タクシーってのは移動手段の床屋なのかもしれないね。
そう思った。
柳生町、柳生川沿いに咲く桜
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