タクシーの乗り逃げ

タクシーの乗り逃げがあったなんて話は二カ月に一度ぐらい聞くのだけれど、そういうことを恥だと思っている人も多くて、きっと聞いた数の五倍なんて件数が実際には起きているのだろうと、その数に根拠はないのだけれど、思う。ということは二か月に5件。
一番多いケースは「ちょっとトイレに行ってくるから」と言ってコンビニや駅のトイレに行ってそのまま消えるもの。次が「お金を持っていないから、ちょっと家に取りに行く」と言って姿をくらます、そういった消えるパターンが70%。(この数字も根拠なしだけれど)
20%が「もってないよ」なんてのは行儀がよくて「金なんざないぞ」と開き直るパターン。酔っ払いに多くて、「なんだあ?矢でも鉄砲も持って来い」「ん?警察にでも行けよ」ということになる。たまに暴力事件になる場合もあって、強盗未遂、あるいは本当に強盗になるケースも獄希にあるようだ。
残りの10%が「てめえ、遠回りしただろ。金なんざ払えるか」とか「座席が汚れていてズボンに着いたじゃないか、クリーニング代出せ」なんて確信犯、恐喝や詐欺まがいの乗客もいる(らしい)。
「消えるパターン」については、料金を支払ってもらえる可能性(犯人が捕まる可能性)は、限りなくゼロで、料金はそのまま自腹になる。もちろん被害届を警察に出して、会社に事情を説明すれば、料金の未発生処理をしてれるだろうから、損失は時間だけになる。
警察に行ったり会社に説明する時間の損失と、自腹による損失を比較して、そしてなにより恥ということを考えて、結局は自腹による解決をする運転手のほうが圧倒的に多いと思う。この「自腹による事件隠滅」が五倍という数字になっているということだ。そして賃走距離と自腹率というのは比例する。
「強盗未遂ケース」については、警察に直行すること、それが出来ないのであれば110番、あるいは緊急ボタンを押す、という緊急時の処理を冷静に行うことが肝要だろう。こういう人たちの会話には恐喝や恫喝の内容を含んでいる場合が多く、後で「言った言わぬ」ということになりかねないので録音することも大切だ。 初めに「お客様、会話内容を録音させていただきます」と言えば、そこで大人しく支払ってくれるケースもある(だろう)。
ただこのケースについては、「初めから持ってない」と「支払う時に持ってないことに気付いた」という二つのパターンがある。前者であっても後者を装う場合のほうが多いので、そういう場合は乗り逃げ・無賃乗車とは違う。この場合は支払を確約させなければならない。「払わない」と言えば無賃乗車だ。
支払いを確約させるために住所氏名、電話番号を聞き取ることはもちろん、事情によっては免許書や健康保険証を預かる(預かっても払わない人は払わないらしいが)ということをする。電話番号は一度かけて実際に存在するかどうか確認したほうが良いだろう。
そのうえで、手書きで良いから請求書を発行し、支払うということについて一筆書いてもらうようにする(といいと思う)。それらのことを拒否するのであれば警察に行き、警察官に立会人になってもらうということも考えられる。ただ警察は運賃を取り立ててはくれないし、まして立て替えてもくれない。このケースについは事件ではないので、助言や証人にはなってくれても介入はしないので、警察に過度の期待をしないように。
「恐喝・詐欺のケース」については、直ちに警察に行けばいいのだけれど、「遠回り」や「座席の汚れ」について少しでも身に覚えがある場合は、ついつい謝ってしまうこともある(と思う)。毅然とした態度で「いいえ、そのようなことは一切ありませんし、お客様がご乗車になる前に座席については確認しております」なんて言えばいいのだけれど、ついついこれまた面倒になり「じゃあ、運賃はいりませんから」なんて安易な解決策をこちら側から提示してしまう。
そういう安易さにつけ込んで「そんな運賃ぐらいじゃ足りない」と更に金銭を要求するケースも考えられるので、ここはやはり毅然とし、立証するために警察なり会社なりに相談することが必要だし、そういうそぶりを見せることも大切だ。座席の汚れとズボンの汚れの成分が一致するかとか、走行ルートが適切であったか、なんてことを調べるのはそれほど難しいことではないだろう。
「2000円ぐらいいいか」なんて考えて運賃とクリーニング代などを相殺してその場は終わったとしても、後で「クリーニング出したけれど汚れが落ちなくてね」とか「遠回りされて遅刻したもんだから大事な商談が流れてね」なんて、その数倍、数十倍の額を要求される場合があるので、自腹解決は出来るだけ避けたほうが良い。
交通事故についても同じなのだけれど、あとあと困ったことになるから、確実な処理を行うことが望ましい、と思う。
まあ、とは言っても、「金ね~ぞ」なんて酔っ払いに言われて、「なに~、てめえ、出ていけ」と引きずり出して、道路に捨ててくる方が、よっぱど楽だし気晴らしにもなるけどね。だいたいタクシーの運転手が優しくなりすぎて、CSなんて言うものだから、客も付け上がって、細かいことまでクレームを言うようになる。
タクシーの運転手ってのは、オレみたいに家族も身内もいない世間とはキッパリと手を切った人が多くて、人ひとりぐらい刺し刑務所に入ることなんか怖くないなんて考えている人が多いということ、そしてもうそういうことは経験済みの人もいたりすることを、世間の人は忘れたわけではないだろうに。それに眠気覚ましに覚せい剤なんて人も……。まあ、そんな話は昔のことか……。
くらがり渓谷~本宮山

4件のコメント

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    どうなんでしょうね。
    面接時に理由を聞かれても、どうにでも良いわけができそうだし、社会復帰を支援しているタクシー会社もあるようですし。
    一万円からのお釣りは、逆に運転手が罵詈雑言というパターンも多いようですが…。
    「ちょっと怖い」というのがボクのタクシー運転手のイメージでした。実際やってみると、いろいろな面で苦労人が多いので、怖いというよりも深いという感じかなあ…。
    ギャンブルなんかで身をつぶした人も多いようですが…。

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    手袋で小指を隠せるから…という理由の方も結構いらっしゃるというのは本当なのでしょうか
    ソースがネットなので信用度はイマイチですが、一万円札を支払う客が続いたあと、若い客が一万円札で支払ったところうっかり釣り銭を切らしたと伝えたら罵詈雑言「昔はこんな事なかった…」ってな記事でした

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