like a Snusmumriken

ものは、自分のものにしたくなったとたんに、
あらゆる面倒が、ふりかかってくるものさ。運んだり、番をしたり……。
ぼくは、どんなものであろうと、見るだけにしている。
立ち去る時には、ぜんぶ、この頭の中に、しまっていくんだ。
重いかばんを、うんうんいいながら運ぶより、ずっと快適だからねぇ!
スナフキン

「運んだり、番をしたり」そのためにひとはエネルギーを必要とする。石油を掘り尽くし原発なんて危険なものまで開発しなければならなくなった。
エネルギーだけではない。ひとびとは手に入れたものを「運んだり、番をしたり」するための、ものをまた必要とするようになった。そしてまたそのものを「運んだり、番をしたり」するための……。
それが大量生産大量消費の仕組みだ。
ものだけではない。己の身体さえもコントロールできなくなり、食べすぎるために痩せなければならない状況になっている。ひとは腹八分なんてことはできない。欲望と欲求のカタマリなのだ。早朝深夜のジョギング、ジムでの運動、健康器具に健康食品…。
あれもこれも食べたいものだから、結局はそれを過剰に摂取したカロリーを消費するためのものが必要になってしまった。そのものを「運んだり、番をしたり……」
それを不自由なんて思わない。それを幸福と言う。ああ、あのスーパーマーケットの二階、窓辺に据え置かれた、まるでハムスターの回し車のようなジョギングマシーンの上を走る、でっぷりと太った男女の、なんと間抜けな顔。
ああ、なんて愚かなひとたち。不健康なジャンクフードを食べて、甘い缶コーヒーを飲み、そして不必要なクルマに乗りたいために、ハムスターにまでなれる人たちよ。
いや、お前たちはハムスターではなくて、経済という薬の治験のために飼われているモルモットなのだ。その回し車に乗るために製造ラインは停まることをしらず、大量の電力を必要とし、人をころし、環境どころかこの地球さえも破壊しているということを知らぬわけではないだろうに……。
スナフキンの名言集
スナフキンの名言集

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