もう一度人生をやり直せる町…。

「もう一度人生をやり直せる町」。豊橋のまちづくりスローガンに、こう掲げてはどうだろうか。たとえ全国を流浪の末に豊橋にたどりついたとしても、この町ならやり直せるかも知れない。そんな自身の沸いてくる町はどうだろう

と、東日新聞の「風針」というコラムに書いてあった。
ちょっとピンぼけしている。なぜならば、もうすでに過去にも現在にも多くの若者が「もう一度やり直したい」という決意を胸に北は北海道、南は九州沖縄から豊橋や田原に大勢やってきている。そしてその多くは期間工や派遣社員、非正規雇用という道具として使い捨てられ町を去ってゆく。「やり直せる町」どころか「絶望の町」なのだ。
これまで多くの若者を絶望の深淵に追い込んでおきながら、いまさら「人生をやり直せる町」というのがピンぼけしているというのだ。多くの若者の絶望を食って豊橋市や田原市なんてのは豊かになったのではないのか。
保証人がいなければ就職も難しい。ハローワークはマニュアル通りのことしか行わない。個々人のバックグラウンドやら能力なんてものを考慮してそれを就職に結び付けようなんて手間のかかることはしてはこなかった。まるで北の国の配給の風景だった。求人票を窓口に提出して面接の日時を決めてそれで終わり…。企業とのやり取りも一通のハガキだけだ。面接に落ちたとしても、何がいけなくて何が良かったのかなんてことを掘り下げて求職者の今後のために生かそうなんて、これまた手間のかかることなんかはしない。
いやボクの場合だけがそうだったのかもしれない。いやあのリーマンショック後の混沌とした雇用状況が悪かったのかもしれない。でもね、あの頃なんてのは「希望」なんて光は少しも見えては来なかった。
町はセイフティネットにはならない。国家をあてにしてはいけない。そうボクたちは学んだ。
結局、ボクはタクシー運転手となった。ボクだけではない。かなりの数の非正規労働者たちがタクシー運転手となった。タクシー会社は拾ってくれる。大企業が使い捨て、町や国が見捨てた「流浪の民」たちをかなりの確率で拾ってくれた。名古屋なんて大都市では住むところも用意してくれた。

最終的には人間まで治して、社会復帰させる。豊橋に行けば何でも直る。文字通り、もう一度人生をやり直せる。そんなすてきな町にしたらどうだろ。

確かにそうなればすてきだろう。
「豊橋に行けば」と今もやってきている多くの若者のことは、いったいどうするつもりなのだろうか。それはそれ、これはこれと、別の事案として考えるのだろうか。結局また街角にホームレスを増やすだけではないのか。
あのリーマンショック後に増えたホームレスのことはいったいどうするつもりなのだろうか。それはそれ、これはこれなのだろうか。
まずは今ある問題についてキチンと報道して、その解決についての態度を示すなんてマスコミとしての責任を果たすことのほうが重要で、そんな夢を語ることなんてのは二の次だと思うのだ。東日新聞の記者の乗ったタクシーの運転手が、その「やり直そう」と思って豊橋にやって来た人だということだってあるということだ。年齢とか保証人なんて就職差別を受けて、自信なんてものは失くし絶望の末に運転手という職業にたどり着いたのかもしれないのだ。
そういう人がまったくいない、なんてことでこんな記事を書いているのではないだろうけれど、ボクにはなにかやっぱりピンボケした記事に感じられたのだ。非正規雇用の問題だけではなくて、豊橋に住む多くの外国人の問題も、それはそれと片づけてしまうのだろうか、なんて考えたのだ。
東日新聞

3件のコメント

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    トヨタ関連の地域は絶望の町か・・・。
    お前は本当に矛盾しているな。
    そんなにトヨタが嫌なら愛知県から出ていけ!
    人間関係が嫌なら日本の為にこの国から出ていけ!
    お前の様なクズはこの国には必要無い。
    本当にゲス野郎やな、お前は!
    お前みたいな奴が一番ムカムカするぜ

    本来はお前みたいな奴は人の命を預かるタクシーの運転手を断じてやってはいかんのや!
    仕事やるなら今後も子孫は残せないだろうから、福島第一原発で事故処理をやれ!
    さぁ、明日にでも愛知県から離れて福島県へ行け!

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    田原さんは、立派ですね。僕は、自分の身の程しらずを思い知りました。田原さんを見習いたいです。無職のつまらないものですが。

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    人生をやり直せるかどうか、それを町に期待すること自体、焦点がズレていると思います。何処に居ようとも、やり直せるか否かは当人の意識次第なのですから。私自身は、この豊橋と云う町で必ずやり直せると信じています。

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