ワンマイルとタクシー mobiとLuupの時代
タクシーの初乗り距離はワンマイルで、その距離1.609キロメートル。
今、移動サービスで話題になり、課題になっているのもファーストワンマイル、ラストワンマイルです。そのワンマイルがなぜ問題になるのかを考えてみました。
1.ワンマイルの問題なのだ
キックボードキックオフで「ラストワンマイルを粗末にしてきたのはタクシーだった」と書きました。粗末というと語弊があるかもしれませんが、そのワンマイルという距離にまつわる乗車拒否やトラブルは確かにあったし、今もあります。
そして「コロ」とか「ゴミ」なんて揶揄されるようにそのワンマイルは、運転手から忌嫌われてきました。
ところが、利用者の立場や運賃制度から考察すると、例えば初乗り運賃は決して安いものではありません。例えば、100メートルでも500円、1000メートルでも500円、という近い距離になるほど「乗り捨て」という超過支払いが多くなる仕組みです。
それは、忌み嫌っている運転手にとっても「乗り捨て」部分は超過利潤になります。初乗り距離が近いほど「こんなにもらって良いの」になるはずです。
100メートルに対して支払われる運賃は、例えば牛丼一杯と味噌汁の値段なんです。それは決して「ゴミ」ではないはずです。
利用者は「500円も払っているのに」
運転手は「それぐらいの距離歩けよ」
その感覚の違いが態度に出てトラブルになったり、乗車拒否問題に発展します。
そのうえ「すみません、近くて悪いんですけど」と超過支払いをしながら、利用者が謝ってしまうケースも増えてきました。
2.mobiの登場
タクシー業界も問題を放置していたわけではありません。初乗り距離短縮(初乗り運賃を安く)し、短距離利用者の利便性を訴求してきました。そして「乗り捨て」部分は700円程度からワンコイン500円程度まで安くなりました、しかし、利便性は向上しましたがワンマイルの溝は埋まりませんでした。
それもそのはず、利用者の利便性と経済性の増大は、運転手にとって逆の結果になます。したがって、この問題は常に平行線をたどってしまいます。
解決できないまま昨年あたりから地域限定ですがmobiが登場し、エリア内なら5000円(家族二人目からは5500円)で何度でも利用できる移動サービスの利用が開始されました。

mobi(モビ)Community Mobility – Google Play のアプリ
3.リサイクルの問題なのだ
mobi、LUUPの登場は、そのワンマイルの問題の解決です。
ボクたちが忌み嫌ってきた「ゴミ」を、宝の山に変えようとしているようにも思います。LUUPもレンタサイクルも同じです。
高齢化社会が必要としている移動サービスは、せいぜい買物や病院の距離です。長距離ではありません。少子化社会が必要としているのは、校区内の範囲です。さらにはワークが求めているのは、物やサービスの移動です。
やっぱりボクたちが嫌がってきたことです。

「LUUP/ループ:シェアサイクル &電動キックボードシェア」をApp Storeで
4.共存、共生の時代なのだ
いえ、忌み嫌っていただけではありません。長時間労働、歩合給制低賃金を代表とする低質な労働条件、労働環境での労働者不足が、サービスまでも低質化させました。その結果として世の中が救い主を求めた、そう言えます。
二種免許取得要件を緩和しようが、働きやすい職場制度を確立しようが、これからの街の設計には、mobiやチョイソコ、コミュニティバスやグリスロ、さらには自家用有償なんてタクシー業界の「敵」までも組み込まれます。
そうなると、移動サービスは多様化し連接化します。
5.天災なのだ
個別のサービスや、それを利用する人たちが悪いのではなく、移動サービスを統制する政策が悪いのです。
そしてその部分を「粗末にしてきた」タクシー業界が悪いのです。
mobiやLUUP、Uber EATSや出前館、それらの新しいサービスが悪いのではないのですよ。
6.移動サービスの厄介者はタクシーだ
というよりも、ボクは、本当のことを言うと、「タクシーが邪魔」ぐらい考えていて、新しいプレイヤーの進出を妨げている、そして利用者の利便性を阻止しているのが、ボクの住むタクシー業界ではないのか、そう思っているんです。
退場すべきは、国家に守られ古い体質から脱却できないでいる、タクシー業界なのかもしれない、そこまで思っているのです。
こういった流れは止められません。
7.ワンマイルの時代なのだ
もう一度書きますが、二種免許の取得要件を緩和しようが、運転手は増えません。供給できない地域、時間帯が都市部でも出て来ます。
mobiやLuupの時代なのです。いやmobi的なLuup的な移動サービスの時代、なのでしょう。
それはワンマイルの時代で、ワンマイルの問題なのです。あ~、また怒られて、嫌われる…。
