廃墟 また冬が来て

廃墟、壊れた家。そしてまた、冬が来た。

忘年会は、クリスマスは、新年は、喧騒の繁華街の中に独りでいる。家族とか友人とか愛情なんてものとはほど遠い位置にいて、ボンヤリと人混みを眺めている。

落葉したイチョウ並木の枝が闇に突き刺さる。人たちは揺れながらボクの真横を通り過ぎる。年末のイルミネーションのように、それもまた繰り返される哀しみの色。忘年会も、クリスマスも、新年も、そうやって過ぎてゆく。

落ちてゆく。朽ちてゆく。そうして踏みにじられ土に戻る。人もまた同じ運命。

鳳来寺山、国民宿舎鳳来寺山荘、多くの人が通り過ぎる中、また灯が点ることもなく、落ちてゆく、朽ちてゆく、そうして土に戻る。廃墟。

ボンヤリと見ている。ボクたちの運命を誰が知る。そうしている間にも、時間は過ぎる。そしてまた、出来事も、記憶も、落ちてゆく、朽ちてゆく、そして土に戻る…。

人の中にある廃墟。そこには壊れた時間と、壊れた空間が、圧縮されて止まっている。止まっているだけで、その宿主の死を待ち続ける。落ちてゆく、朽ちてゆく、そして土に戻る…。

鳳来寺、国民宿舎鳳来寺山荘 廃墟
国民宿舎鳳来寺山荘

国民宿舎鳳来寺山荘跡

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