冬が来た。
忘年会は、クリスマスは、新年は、喧騒の繁華街の中に独りでいる。家族とか友人とか愛情なんてものとはほど遠い位置にいて、ボンヤリと人混みを眺めている。

落葉したイチョウ並木の枝が闇に突き刺さる。人たちは揺れながらボクの真横を通り過ぎる。年末のイルミネーションのように、それもまた繰り返される哀しみの色。忘年会も、クリスマスも、新年も、そうやって過ぎてゆく。

落ちてゆく。朽ちてゆく。そうして踏みにじられ土に戻る。人もまた同じ運命。

鳳来寺山、国民宿舎鳳来寺山荘、多くの人が通り過ぎる中、また灯が点ることもなく、落ちてゆく、朽ちてゆく、そうして土に戻る。

ボンヤリと見ている。ボクたちの運命。

鳳来寺、国民宿舎鳳来寺山荘
国民宿舎鳳来寺山荘

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