かなライド@みうら
「かなライド@みうら」とは、神奈川県三浦市で行われている自家用車活用事業(日本型ライドシェ)です。交通空白地ができる時間帯、19時〜25時に行われます。
![「かなライド@みうら」 実施中です!|三浦市](https://kixxto.com/wp-content/uploads/yahman_addons_cache/www.city.miura.kanagawa.jp.png)
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現在行われているのは、道路運送法78条2号での実証実験です。(12月16日まで)以降、今度は78条3号で(本格)実施されるとのことです。今回は、三浦市で何が起こっているのか考えてみます。
かなライド@みうら
自家用車を使い有償で旅客輸送を行うことは禁じられています。例えば、白タクがそうです。ただし、道路運送法の1号、2号、3号で例外が定められています。
かなライド@ みうらが行っている道路運送法78条の2号は「市町村やNPO法人などが、交通空白地において地域住民や観光旅客などの運送を行う場合」1の自家用有償旅客運送です。
本格実施も、タクシーが不足する地域・時期・時間帯を「公共の福祉のためやむを得ない場合」として、3号の自家用車活用事業として行う予定にしています。つまり、交通空白地になればライドシェアができる、ということです。
交通空白地ができる原因
はじめに、かなライド@みうらが必要になった経緯を概観します。
三浦市にはタクシー会社が2社あります。検討会議にもこの2社が参加しています。2
- 京急三崎タクシー
- 18台
- 5時〜26時
- いづみタクシー
- 17台
- 5時〜19時(2022年8月より深夜営業中止)
人口4万人、人口密度1242km23の地域に35台です。この台数で19時以降は1社になりました。これにより、タクシーの稼働台数が半減したということです。なぜ、いづみタクシーが深夜帯の営業を中止したか?最大の要因は直接的にはコロナ禍での業績悪化です。さらに、コロナ禍以降営業時間短縮で経営コストを削減しようとする動きが地方のタクシー会社で活発化しています。
時間帯空白地の問題
このようにタクシー会社が時短をした結果、交通空白地が出現したのです。同じようなことが全国的に起きています。加えて、交通空白地に時間帯空白の概念が導入されたため、日本中どこでも空白地が現れるということになりました。
それを解消するために自家用車を活用しよう、ライドシェアをやろう、というのが今回のかなライド@みうらなのです。
タクシー事業者の時短によって発生した交通空白地を、ライドシェアで埋めるということです。
交通空白地問題は解決できるのか
新しい概念は空白地を増殖させます。そした、その解決策としてライドシェアが導入されます。導入された地域・時間帯のタクシー事業の経営が悪化します。すると事業者は稼働台数を減らし最終的には営業時間を短縮します。そして、その地域・時間帯をライドシェアで埋める…。
そして今後次々と同じように「儲からないから」「人手不足で」と、簡単に時間短縮を行い、儲かる時間帯にしか稼働させなくなります。死して交通空白地が現れます。
違った角度から考えると、タクシー事業本来が持ち合わせていた「公共性」を捨てやすくなった、ということです。
それはタクシーを公共交通だと言いながら、実質営利事業に放置していたタクシー政策の失敗でもあるのではないかと、考えています。
「ライドシェア」 神奈川 三浦市での導入目指し 県が検討開始 | NHK | 神奈川県
一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会 ご説明資料(2023/11/28)
- 利用者視点なきライドシェア議論、新しいサービスには新しい枠組みを:日経ビジネス電子版
- 三浦市が配車地域になっている会社はこのほかに3社ありますが、交通空白時間帯には難しいでしょう。それに待機はしていません。検索結果|一般社団法人 神奈川県タクシー協会
- 三浦市 – Wikipedia