おらが春

目出度さもちう位也おらが春 一茶

やっぱりボクたちの季節というのはコマーシャルによって動いている。

ひな祭りのCMが流れていて、まだ正月どころかクリスマスも終わっていないボクはかなり焦って、「や、餅も食べなければ」とか「クリスマスのシュトーレンが少し残ってたな」なんてことになっているのだ。

世の中の行事に参加することは、世間並みに生きるってことは、とかく忙しい。

ボクたちは、消費者という称号を国家からいただき、とにかくなにがなんでも消費しなければ非国民だと罵られるような社会風土の中で生きている。消費こそが消費者の使命なのだ。それが今の世界の仕組みなのだ。

消費するために消化する。ちょうど、酒をたくさん飲むためにウコンや牛乳を飲むように、ちょうど、食べるためにダイエットサプリを飲むように、いつの間にか国家によってボクたちは大量消費するDNAを移植された。

消費中毒。街には食べ物が溢れ、ネットにも書店にもテレビの中も旅行にグルメのオンパレードだ。グルメにダイエット、健康というのが国民の一大関心事なのだ。

目出度さもオレ次第なり

そんなことを考えながら、ボクは雑煮を食べる。デザートにシュトレーンを食べる予定だ。クリスマスと正月がいっぺんに来て、目出度い。ついでに酒も飲んでなお目出度い。

そうして今年も、成長しなければならない社会でボクたち消費者は、不健全な生産と不健全な消費を繰り返す。食べては吐いて、吐いては食べるようなシステム、それが目出度いこの国の正体だと解かっていても、もうボクたちは消費者という身分を抜け出せないのだ。

目出度さも人任せなり旅の春(井上井月)

井上井月顕彰会

雑煮
今年はヒラメの雑煮なのだ。

春は哀し、花に嵐春は哀し。 「今年は花見に行った?」 「うん、まあ」 「うん、まあって、元気ないね」 「うん、まあ」 「重症だね」 「・・・・・・」 「そっちも雨降ってる?」 「うん、まあ、降って…
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春は哀し、花に嵐

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