1票売ります 参議院選挙2010

参議院選挙はラストサンデーだったらしい昨日の日曜日。「ボーナスサンデー」ではなくて?それでも多くの人の興味は、選挙よりも大相撲だったりするのかもしれない、なんて思っている。

非正規雇用の全雇用者に占める割合が30%を越えているのだから、3人に1人は働いていたとしてもそんなボーナスサンデーに無縁な人々で、そして日曜日だとはいえ仕事という人も多いのだろうから、サンデーにさえ無縁な人々が多いというのが現実なのだろう。

となると「ノーホープサンデー」とか「哀しみの日曜日」(英語でなんと表現するのだろう)とかになるのだろうね。

哀しみや苦しみは他者との比較でその輪郭が明確化する。格差が人々の哀しみや苦しみを重く深いものにする。夢や希望がその心の辛苦を慰労するのだけれど、絶望が牛耳る心には憎悪や嫉妬なんて人の醜い部分だけが抽象される。

親殺し、子殺し、無差別殺人…。ボクたちはもう何が起きてもそれほど驚かなくなった。

「1票売ります」

いや、ボクが言ったのではなくて、お客様がそう言ったのだ。

「運転手さん、誰か投票権買ってくれる人知らないかね」
「そういう人いるんですかね」
「1000円でも2000円でも良いんだけれど売れないもんかね。オレみたいな考えのヤツ結構いると思うよ。選挙運動するよりも、票買いするほうが効率的じゃないか」
「そうですねえ、投票率が50%として、残りの50%の人も投票すれば小遣いをくれる、なんてことになると25%ぐらいは行くかもしれないですね」
「そうだろ。1票1万円なんてことになると、家族や友達の分まで集めるヤツ出てくるに決まってるしね」
「そうですね。10人分で10万円」

誰に入れても同じなら、どこが政権を取っても同じなら、その一票を換金するほうが良いかもしれない。毎年のようにある選挙の度にいくらかの小遣いが稼げるほうが良いかもしれない。一票2000円で売って、そのお金で美味しいものを食べたほうが幸せかもしれない…。そう思う。

「暑い中、わざわざ選挙に行くよりは、誰かに代わりに行ってもらって、お金もらうほうが良いに決まってるしな」
「ま、そうですね。投票するといくらかもらえるという方法にすれば良いかもしれないですね」
「それでも良いけどな」
「選挙事務所に聞いたらどうでしょうか?でも、たぶん、そんなことはしません、なんて言うでしょうが」

なんて話をした。

叶わぬ夢を見るよりは、目の前の1000円のほうがウレシイかもしれない。

貧困や格差の問題は、治安悪化や税収の減少なんてことだけではなくて、この国の基本的な部分、民度の低下にもつながる。そうして目先の欲望を満たしてくれる人だけが選出されることになると、中長期における国家経営の遂行という政治の本来の目的が損なわれ、暴力的な予算の使い方や破滅的な政策の実行により、国家は滅亡の一途をたどるのだろう。

「一票売ります」

そうお客様は言ったのだけれど、ある意味、多くの有権者の投票行動は「売り」をやっているのかもしれないと思う。だって、国のことよりも自分がどれだけ儲かるかってことが大事なんだろうし。

「オークションなんてのに出品したらどうですかねえ」
とボクは言った。
「そんなことしたら捕まるよ」
とお客様が答えた。

そしてしばらくして目的地に着いた。
「2040円になります」
「じゃ2500円ね。釣りは良いよ。コーヒーでも飲んで」
「ありがとうございます。またご利用下さい」

とボクたちは別れた。

460円のチップ。「1票売ります」の話が、ラッキーサンデーになった。

豊鉄タクシー メーター検査場で
豊鉄タクシー メーター検査場で

開票結果一覧 – 2010参院選:asahi.com(朝日新聞社)

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