ベビーシッター事件で考えたこと

夜の仕事、時給2000円、そこが母親にとっては一番条件の良い職場だったんだろうね。昼間のパートなんてのはせいぜい最低賃金程度で、今回のベビーシッター代にもならないのだから、たぶん多くのシングルマザーはそういう選択を考えたことがあるのだろうと思う。
ただどんな理由があったのかは知らないけれど、3日間もあずけたことについては「育児放棄」なんて言われてもしかたないのかなあ、なんて思う。
なんの資格も技術もない女性がひとりで生きてゆくにはかなり難しい世の中なんだろうね。昼間のパートやアルバイト、あるいは派遣や期間工なんて労働条件で雇用されたとしても、年休すら取りにくいのが実情で、いくらそれが「労働者の権利」だと理解していたとしても、それらの権利を行使しようとすると、解雇が厳しいようで簡単なこの国では「辞めてもらってもけっこうだよ」なら良いほうで、「何考えてんだ、明日から来なくて良い」と怒鳴られてお終いというケースのほうが多い。
経営者がそんなことを露骨に言わないにしても、従業員が経営者と同族だったり、あるいは昔からの従業員が多いもんだから追い出しにかかる。結局辞めなければならないようになる。春闘だベアだ、なんて「闘える」のは大手だけなのだ。年休すら取れない、そして病気でも出勤しなければ怒られるなんてのがほとんどの企業の実態なのだ。おまけにサビ残、会社行事の強制参加、上司のセクハラ、パワハラ、なんでもありってところも多い。
育児のためにパートやアルバイトなんて非正規雇用を選択したとしても、育児休暇どころか年休も取れないのだから、母親たちは時間1000円を出してでも子供をあずけなければならない。
育児だけではなくて子供の病気、それ以外にも例えば小学校の入学式、卒業式、授業参観やPTA、入試に合格発表、子供たちには母親に参加してもらいたい多くの行事がある。そのために非正規の道を選んだとしても、それを叶えられない、だからこういった危険な方法を選択しなければならなくなる。
子供のためにパートに出たのだけれど、結局それが子供のためにならない、というこの国の労働環境に問題があるから、その隙間に犯罪が入り込むのだ。
どこかの県知事が育児休暇を取ったと、どや顔で報道されていたけれど、県知事が育児休暇を取ったところでこの国のほとんどの企業ではそんなものは取れない。どんな企業でも育児のために休暇を取りやすいように法整備するのが政治家の役目であり、今ある権利を行使することは役目ではないと思う。
せめて子供のために年休を取れる労働環境の整備と、育児のためには正規、非正規、雇用期間なんてものを問わないで休める職場環境を整備しなければ、この国の未来はないと思うのだけれど。
鶴舞公園
鶴舞公園

1件のコメント

  • この事件でつくづく感じましたが、日本は最終的にすべて個人が悪いということにして問題を解決しています。この母親に選択肢がない状況に追い込みながら、選ばざるおえなかった選択に責任を押しつける。うわべばかりきれいに塗り固めて、その下では苦しみにのた打ち回っている人がいる。本当に美しいクにですよ日本は!へどがでる

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