万葉の小径 – 西浦町
2025年10月4日
万葉の小径は、西浦半島の先端、御前崎にある稲村神社へと続く遊歩道です。遊歩道には、万葉歌人が三河湾の美しさを詠んだ歌碑が点在しています。
その一つに、高市黒人(たけちのくろひと)の「いづくにか船泊てすらむ安礼の崎漕ぎたみ行きし棚無し小船」があります。この歌碑には、「何所尒可船泊為良武安礼乃埼榜多味行之棚無小舟」と漢字本文が刻まれ、御津磯夫氏によって揮毫(きごう)されました。そして、この場所こそが、歌に詠まれた「安礼の崎(安礼の埼)」であると地元の人々に信じられています。
また、遊歩道沿いには万葉集に詠まれた草花が咲き、そのそばには解説を記した歌板(プレート)が立てられています。例えば、「はまゆう(ヒガンバナ科)」のように、花の名前と科目が紹介されています。
万葉の小径は、三河湾の情景を歌碑に、そして、万葉人が草花に寄せた想いを歌板に託して紡がれた道と言えるでしょう。
距離は、1km強(わたしの歩行距離はGPS値で1.4kmでした)。その間に、35ほどの歌が登場します。その中に、好きな歌を見つけられると思います。
万葉の小径 歌碑
- 釧着く答志の崎に今日もかも大宮人の玉藻刈るらむ 柿本人麻呂
- うつそを 麻続王海人なれや 伊良湖の島の 珠藻刈ります 人
- うつせみの命を惜しみ波に濡れ伊良虞の島の玉藻刈り食む 麻続王
- 四極山うち越え見れば笠縫の島こぎかくる棚無し小船 高市黒人
- 妹も我も一つなれかも三河なる二見の道ゆ別れかねつる 高市黒人
- 夢のみに継ぎて見えつつ小竹島の磯越す波のしくしく思ほゆ 作者不詳
- 旅にして物恋しきに山したの赤のそほ船沖にこぐ見ゆ 高市黒人
- 潮騒に伊良湖の島べこぐ船に妹乗るらむか荒き島みを 柿本人麻呂
- いづくにか船泊てすらむ安礼の崎漕ぎたみ行きし棚無し小船 高市黒人
- 引馬野ににほふ榛原入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに 長忌寸奥麻呂











