万葉の小径 – 西浦町

万葉の小径は、西浦半島の突端、御前崎の稲村神社へと続く、三河湾の絶景とともに古代の調べを楽しめる遊歩道です。道中には、かつてこの地の美しさを詠んだ万葉歌人たちの歌碑が点在し、訪れる人々を遥か千年前の情景へと誘います。

安礼の崎に響く高市黒人の歌

特に注目すべきは、高市黒人(たけちのくろひと)が詠んだ「いづくにか船泊てすらむ安礼の崎…」の歌碑です。この地こそが歌に登場する「安礼の崎(あれのさき)」であると地元で語り継がれており、御津磯夫氏の力強い揮毫による漢字本文が、歴史の重みを伝えています。

五感で楽しむ万葉の草花

約1.4kmの道のりには、万葉集に登場する「はまゆう」などの草花が植栽され、その傍らには丁寧な解説プレートが添えられています。35首もの歌に触れながら、万葉人が花々に託した想いと三河湾の潮騒を感じるひとときは、自分だけのお気に入りの一首を見つける特別な旅となるでしょう。

安礼の崎の所在3説

万葉の小径・歌碑一覧

  1. 釧着く答志の崎に今日もかも大宮人の玉藻刈るらむ 柿本人麻呂
  2. うつそを 麻続王海人なれや 伊良湖の島の 珠藻刈ります 人
  3. うつせみの命を惜しみ波に濡れ伊良虞の島の玉藻刈り食む 麻続王
  4. 四極山うち越え見れば笠縫の島こぎかくる棚無し小船 高市黒人
  5. 妹も我も一つなれかも三河なる二見の道ゆ別れかねつる 高市黒人
  6. 夢のみに継ぎて見えつつ小竹島の磯越す波のしくしく思ほゆ 作者不詳
  7. 旅にして物恋しきに山したの赤のそほ船沖にこぐ見ゆ 高市黒人
  8. 潮騒に伊良湖の島べこぐ船に妹乗るらむか荒き島みを 柿本人麻呂
  9. いづくにか船泊てすらむ安礼の崎漕ぎたみ行きし棚無し小船 高市黒人
  10. 引馬野ににほふ榛原入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに 長忌寸奥麻呂

万葉の小径・歌碑画像

安礼の崎と高市黒人歌碑

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