秋葉神社:「木船」と、千賀選手のマンホールが彩る聖地

明神山に守り継がれる貴船神社の面影

蒲郡市水竹町の中央公園内に位置する小高い山(通称:明神山)には、現在「秋葉神社」が鎮座しています。かつてこの地には、元暦元年(1184年)に山城国(現・京都市)から分霊を勧請した「貴船神社」が祀られていました。

建久8年(1197年)の大洪水により平地にあった社殿が流出しました。しかし本殿のみが残ったため現在の山の上へと遷座したと伝えられます。また、明治時代の神社制度改革を経て、昭和37年に貴船神社は合併移転し「水竹神社」となりましたが、秋葉神社はこの地に残り、現在は飛び境内社として大切に守られています。

水竹神社 – 若森神社も合祀されています

地名「木船」に刻まれた古代の葬送

この地域は古くから「木船(きふね)」と呼ばれています。その由来には、かつて「舟形の木棺(もっかん)」が流れ着いた、あるいは亡き人を木棺に納めて埋葬した場所であったという説があります。

事実、この一帯には古墳が点在しています。南に位置する天桂院山の観音堂南側も、古墳を利用した経塚であったと言い伝えられています。地名の中に、古代の人々の死生観や葬送の記憶が静かに息づいているのです。

一の鳥居と大リーガー千賀選手の共演

こうした古くからの歴史を湛える秋葉神社ですが、近年は新たな賑わいを見せています。参道の入り口となる「一の鳥居」のすぐ目の前には、地元・蒲郡が生んだ誇り、大リーガー千賀滉大選手を記念した「デザインマンホール」が設置されました。

由緒ある神社の鳥居と、世界で活躍するスター選手のモニュメントが並ぶこの場所は、歴史ファンやスポーツファンが訪れる水竹町の新たなシンボルとなっており、SNSでも注目を集めています。

歴史と現代が交差する中央公園のシンボル

中央公園の緑に囲まれた秋葉神社は、かつてあった神社の面影を色濃く残しながらも、千賀選手のマンホールという現代の活気が融合したユニークな空間です。静謐な神域の空気と古代の伝説を感じながら、郷土の英雄の足跡にも触れることができる、蒲郡の多層的な魅力が詰まったスポットといえます。

中央公園(天桂院山)のサクラ – 蒲郡の名木50選 21

秋葉神社の地図・行き方

参考文献
伊藤天章.『蒲郡風土記』.蒲郡新聞社.昭和51年.
「水竹神社」愛知県神社名鑑 – 国立国会図書館デジタルコレクション.
「貴船神社」蒲郡町誌 – 国立国会図書館デジタルコレクション.

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