石像観音堂
2026年1月23日
蒲郡市清田町の県道73号線沿いに佇む石像観音堂は、保内西国三十三所観音霊場の第20番札所です。かつてこの辺りが桑畑だった頃から、地域を見守り続けてきました。
現在はコンクリート製の堂宇に安置されています。病気や盗難除け、福寿円満のご利益があるとして信仰を集めています。
常陸の名族・小田氏治の余影
この観音堂の始まりには、常陸国(現在の茨城県)の戦国大名・小田天庵氏治にまつわる伝承が残っています。氏治の没後、彼に忠義を尽くした三谷氏の娘が一宇を建立します。そして、小田家が深く信仰していた観世音菩薩の分身を刻んで安置したのが起源とされています。
清田に伝わるもう一つの歴史
一般的な歴史書では、氏治は越後で没したとされていますが、蒲郡に伝わる『小田系図』には別の物語が記されています。
それは、小田城落城後、今川氏真を頼り、伊勢を経てここ清田の地へ辿り着いたというものです。また、近隣の慈恩寺も氏治の次男・小田政氏が開基したと伝えられています。石像観音堂とともに清田の地に根付いた小田一族の歴史を今に伝えています。



参考文献
- 伊藤天章.『蒲郡風土記』.蒲郡新聞社.昭和51年.
- 村瀬 亘宏.『保内西国三十三ヶ所 観音霊場巡り』.不明.
- 蒲郡史談 – 国立国会図書館デジタルコレクション
