十王堂(本町)・保内霊場と観音縁起

蒲郡市本町の通り沿いに佇む十王堂は、享保8年(1723年)の創建と伝わります。入り口に立つ「保内十番・十一番 聖観世音菩薩」の大きな石碑は、多くの人に「保内(西国霊場)」の歴史を伝える目印となっています。

十王像と火伏せの観音像

本尊の阿弥陀如来像とともに、堂内にはその名の由来である閻魔大王ら「十王像12躯」が安置されています。

また、保内霊場11番の本尊・聖観世音菩薩は、一説に行基作と伝わる「火伏せ観音」です。元は秋葉神社の場所に祀られていましたが、明治の神仏分離によりこちらへ遷されたと言われます。

圧巻の石造観世音菩薩(10番札所)

向かって左側の祠には、高さ1.85メートルに及ぶ巨大な「石造観世音菩薩」が祀られています。これが保内霊場10番の本尊です。正徳5年(1715年)に地元の念仏講、あるいは領主によって建立されたと伝えられています。

蒲形陣屋の記憶と貴重な道標

境内には「蒲形陣屋 大手門之址」の碑があり、かつてこの地に大手門があったことを物語っています。また、文化年間の秋葉山常夜灯には「左ごゆ 右よし田道」と刻まれており、市内で唯一現存する貴重な「道標灯籠」として知られています。

免租の証「印内石」

また、境内には、当時の領主・松平清昌が町屋敷の住民に対し、12石余りの役を免除したことを示す「印内石(いんないいし)」が置かれています。この石は、かつて免税地域(印内)の境界を示す標識として立てられていたものです。

伊藤天章師が指摘するように「郷土史的にポイントとなるものを数多く伝えている」場所です。

市場神と印内石 – 鵜殿氏から続く蒲郡市本町の物語 – 蒲郡の旅

十王堂(本町)石像聖観世音菩薩
石像聖観世音菩薩

参考文献

十王堂(本町)の画像

十王堂(本町)の地図・行き方

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