蒲形堂(村中堂)・蒲形の観音さん
2026年1月21日
「蒲形堂」は、保内西国三十三観音霊場の第九番札所です。石造如意輪観世音菩薩を本尊とし、かつては蒲郡市御幸町の専覚寺山門前に鎮座していました。もともと蒲形の地にあったことから、「蒲形の観音さん」として親しまれてきたお堂です。
歴史の謎と創建の背景
創建について、資料(村瀬亘宏編著)には「花園天皇 寛延元年(1308年)」と記されています。しかし、これには時代背景に食い違いが見られます。1308年は花園天皇の「延慶元年」です。一方、「寛延元年」は江戸時代の桃園天皇の治世(1748年)にあたります。
資料によれば、流行病に苦しむ村人が霊告を受け、念仏修行によって集まった浄財で一宇(お堂)を建立。本尊を安置したのが始まりとされています。その後も、流行病が起こるたびに村人たちは観音様に祈りを捧げました。そして災厄を免れてきたと伝えられています。
移設を経て受け継がれる信仰
かつては専覚寺前にあった姿を旧来のストリートビュー(2015年頃)で確認できますが、現在は清田町の玉泉院境内に移設され、大切にお祀りされています。
移設のため、現在の巡拝ルートは「8番善応寺 ― 9番玉泉院 ― 10番十王堂」となります。しかし、かつての霊場巡りの雰囲気を味わうなら、専覚寺経由(8番善応寺 ― 旧9番専覚寺 ― 10番十王堂)で参拝するのも一興でしょう。
参考文献 村瀬 亘宏編著.『保内西国三十三ヶ所 観音霊場巡り』.不明.



