新井形八幡神社 – 五井から引き継がれた、築300年の神殿が眠る社
2025年10月20日
新井形八幡神社は、蒲郡市新井形町新井、県道73号線(三河湾オレンジロード)と新幹線高架の近くに静かに鎮座しています。本殿は、実はかつて隣町の五井八幡社で大切に祀られていた「旧本殿」を移築したものです。
五井八幡の神殿が移築された歴史
五井八幡社の本殿は、江戸時代の享保8年(1723年)に建立されたと伝えられています。資料によれば、五井で約200年の歳月を経た大正12年(1923年)頃、五井八幡社が新たに新築された際、その旧本殿が新井形の地へと譲り渡されました1。
建立から数えて現在まで、実に300年。幾多の時代を見守ってきた神殿が、今もなおこの地に堂々と存在し続けています。それは、地域の人々がいかにこの社を大切に守ってきたかの証といえます。
鵜殿氏と領主が寄せた篤い信仰
戦国末期の天正・慶長の頃、この地に滞在した鵜殿藤太郎が武運長久を祈願したという伝承が残っています。また徳川時代には、この地を治めた領主・桑嶋三郎左ヱ門からも崇敬を集めていました。上ノ郷城主であった鵜殿氏や、のちの領主たちがこの社を心の拠り所としていたことが伺えます。
地名の由来:開拓の願いを込めた「新井形」
「新井形(あらいがた)」という地名は、かつては「荒井」と記されました。これは荒れた土地を切り拓き、新たに耕地や住まいを築いた「新井」の地に由来するといわれています。厳しい自然と向き合い、豊かな里を創り出そうとした先人たちの不屈の精神が、この名に込められています。
古地図が語る、交通の要衝
また、明治初期の古地図を紐解くと、この神社がかつての交通の要所に位置していたことが分かります。当時の道は神社の角で折れ、平田町の薬師寺山門前へと続いていました。西田川を渡れば、三谷や国坂街道へと分岐する重要な交差点です。新井形八幡神社はまさに多くの旅人が行き交う、村の入り口を見守る社であったのです。
- 御祭神 応神天皇
- 例祭日 10月第3土曜日
新井形八幡神社の画像






