八幡町の船山古墳(船山1号墳):三河の王が眠る
2026年3月23日
地域最大級のスケールを誇る前方後円墳
名鉄国府駅のほど近く、豊川市八幡町上宿に位置するのが、全長約95mを誇る三河地域最大級の前方後円墳、船山古墳(船山1号墳)です。
豊川市内には同名の「船山古墳」が2箇所ありますが、こちらは古代三河の勢力図を塗り替えるほどの規模を誇る、八幡町の古墳です。
古墳の規模と構造
5世紀後半(古墳時代中期)に築造されたと考えられており、その巨大さは一見の価値があります。
- 墳丘長: 約96.0m
- 後円部: 径58.3m・高さ6.5m
- 前方部: 幅61.5m・長さ44m・高さ6.5m
前方部は市道によって分断されていますが、断面の斜面にはブロック積擁壁が施されており、かえって古墳の圧倒的な「高さ」を肌で実感できる独特な景観となっています。
「三河の王」の存在と出土品
埋葬者は特定されていませんが、その規模や出土品から、当時の陸上・海上交通を掌握した「三河の王」と呼ぶにふさわしい人物であったと推定されています。
- 歴史的発見: 1945年(昭和20年)、防空壕の掘削時に直刀、鉄鉾、多数の鉄鏃などが発見されました。
- 陪塚(ばいちょう): 北側には、王に付き従うように一辺19.5mの「船山2号墳」が存在していました。
「豊川船山古墳公園」としての再出発
かつては墳頂に上宿神社が祀られ、木々が鬱蒼と茂る丘でしたが、2025年に神社が遷座され、一帯は「豊川船山古墳公園」として美しく整備されました。
現在は駐車場や遊歩道が完備され、墳頂からの眺めや周囲の散策を心ゆくまで楽しむことができます。
散策のアドバイス
- 周辺展示: 道路を挟んだ金融機関の駐車場では、埴輪棺の出土状況とレプリカを見学できます。
- 資料館の活用: 出土品は「三河天平の里」や「桜ヶ丘ミュージアム」に展示されています。特に「三河天平の里資料館」で配布されている『船山古墳解説シート』は非常に分かりやすいため、まず資料館に立ち寄ってから現地を訪れるのがおすすめです。









八幡町の船山古墳の地図・行き方
御津町の船山古墳 – 豊川の旅
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参考文献
豊川市教育委員会編.令和2年.『新版 豊川市の歴史散歩』.豊川市.
豊川市教育委員会生涯学習課編.『船山古墳(船山1号墳)』.生涯学習課発行.
「豊川船山古墳」巨大古墳と倭の五王 – 国立国会図書館デジタルコレクション