座王神社と寒佐神社

歴史に翻弄された二社の鎮座

豊川市御津町金野、県道豊川蒲郡線沿いの高台には、座王神社寒佐神社が並んで祀られています。かつて灰野村に点在した五社(八柱白山稲葉・寒佐・座王)のうち、時代の変遷とともにこの地へ遷された二社の歩みを紐解きます。

座王神社(ざおうじんじゃ)

  • 由緒: もとは青木山の中腹、松林の中に鎮座していました。天明元年に蔵王権現を勧請したと伝わります。
  • 祭神: 国常立命(くにとこたちのみこと)
  • 蔵王権現は、役行者の祈りに応えて現れた「修験道最高の守護神」です。この二者の結びつきにより、吉野を中心とした山岳信仰が日本全国へ広がっていきました。

寒佐神社(かんさじんじゃ)と八幡社の数奇な運命

寒佐神社の建立には、かつてこの地にあった「八幡社」の動向が深く関わっています。

  1. 盗伐事件による創建と遷座:この地域で境界争いに端を発する盗伐事件が頻発。これを避けるため、天正15年(1577年)山頂に一社を創建し若宮八幡として遷座しました。
  2. 合祀への道: さらに「物議が生じ」八幡社は山頂から再び藤久保へ遷りました。そして最終的には八柱神社へと合祀されました。(八幡宮・祭神は天太玉命)
  3. 寒佐神社の勧請: その八幡社の藤久保の跡地を受け継ぐ形で、天押雲命(春日神の若宮)が勧請されました。この経緯から、一時期は「若宮八幡宮」と称されたこともありましたが、明治21年に寒佐神社へと改称されました。
  • 祭神: 天押雲命(あめのおしくものみこと この神は、春日神、春日権現、春日大明神とも呼ばれる天児屋根命の御子神(若宮)です)

現在の風景

現在は「東三河ふるさと公園」の整備や集落の移転を経て、二社は東金野コミュニティハウスに隣接する眺望の良い高台に鎮座しています。名豊バイパスを遠目に望む、穏やかな歴史の分岐点となっています。

座王神社と寒佐神社の動画

座王神社と寒佐神社の地図・行き方

参考文献
「寒佐神社」神社を中心としたる宝飯郡史 – 国立国会図書館デジタルコレクション.
新訂三河国宝飯郡誌 – 国立国会図書館デジタルコレクション.
御津町史 本文編 – 国立国会図書館デジタルコレクション.

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