上臈岩
2026年2月20日
上臈岩は、鳳来湖の西側(宇連川右岸)に聳え立つ標高456mの巨大な岩山です。一の沢橋の対岸に位置し、その切り立った断崖からの眺望は「ニャン湖(にゃんこ)」の愛称でも親しまれています。これは、対岸の一の沢・二の沢が猫の耳のように見えることから名付けられたもので、登山者の間で人気のフォトスポットとなっています。愛知県民の森からのルートが一般的ですが、周回コースは足場の悪い難所も多く、「上級者向け」と言われる険しい山道です。
貴婦人の伝承と消えた「金の笄」
「じょろう岩」の名は、かつて京都の宮中に仕えていた身分の高い女性(上臈)がこの地へ落ち延び、住み着いたという伝説に由来します。この岩には不思議な話も残されており、かつて岩穴の中に落ちていた「金の笄(こうがい)」を拾って持ち帰ると、いつの間にか木の葉に変わってしまったといいます。高貴な女性の持ち物が、人知れず岩山に眠っていたという、この地ならではの神秘的な伝承です。
信仰の場としての峻厳な山域
上臈岩周辺には「仙人窟(せんにんくつ)」をはじめとする複数の洞窟が点在しています。鳳来寺山を含むこの一帯の山域は、古くから厳しい修行の場であり、人間を容易に寄せ付けない独特の気配を漂わせています。
古代の人々は、この圧倒的な巨岩や峻険な地形の中に、神仏の姿や大いなる自然の力を感じ取っていたのでしょう。
上臈岩の画像









参考文献
北設楽郡史 [第1] (民俗資料編) – 国立国会図書館デジタルコレクション.
参河国名所図絵 中 (愛知郷土資料叢書 ; 第12集) – 国立国会図書館デジタルコレクション.
わいわい川合 – 三輪村史