穴滝・渇水期にのみ現れる幻の滝
2026年2月20日
宇連ダム(鳳来湖)の上流、宇連川に架かる橋の東側には、貯水率が約30%を下回った時にしか姿を現さない「穴滝」が存在します。かつては名所として知られていましたが、昭和33年のダム完成に伴い水没。現在は、極端な渇水期にのみ、岩に穿たれた円形の穴から勢いよく水が流れ落ちる神秘的な姿を拝むことができます。
文献に刻まれた「奇絶の壮観」
江戸時代の地誌『参河国名所図絵』には、「滝壺の深さ幾千尋と云ふ限りを知らず、水の通流する処、岩面唯一円形の穴のみあり。実に奇絶の壮観なり」と記され、当時から非常に珍しい景観として注目されていました。「阿弥陀ヶ瀬(あみだがせ)」の川上十町(約1.1km)ほどに位置すると紹介されています。また、当時の挿絵からもその神秘的な佇まいが伺えます。
村の記憶と変わりゆく地名
「復刻版 三輪村史」の地図を開くと、穴滝の周囲には「蝉ヶ滝」や「阿弥陀ヶ瀬」といった今は水面下に沈む地名が記されています。興味深いことに、現在「上臈岩(じょうろういわ)」と呼ばれている名勝も、この地図では「女郎岩」と記載されて時代の変遷とともに呼び名が雅なものへと変化していった歴史を物語っています。
(「じょろう岩」の名は、かつて京都の宮中に仕えていた身分の高い女性(上臈)がこの地へ落ち延び、住み着いたという伝説に由来します。また、それにまつわる「金の笄(こうがい)」の伝承も残ります。




穴滝の地図・行き方
参考文献
参河国名所図絵 中 (愛知郷土資料叢書 ; 第12集) – 国立国会図書館デジタルコレクション.
わいわい川合 – 三輪村史