跳ね坂・六地蔵

蒲郡市五井町古道(ふるみち)には、「跳ね坂」と呼ばれる坂道が残っています。この道はかつて国坂峠へと続く主要な古道でした。清田町方面から西田川を渡って五井へと入る場所に位置します。そして川には当時「詰所(つめしょ)」が置かれていたと伝わります。これが清田町にある「橋詰」という地名の由来になったと言われています。

交通の要衝を物語る「跳ね坂」の由来

また、当時は川に「跳ね橋」が架かっていたことから、この坂も「跳ね坂」と呼ばれるようになったという歴史的な背景があります。

西方浄土を向く「跳ね坂の六地蔵」

跳ね坂を南北に繋ぐ小路の奥には、立派な石垣の台座と入母屋造(いりもやづくり)の屋根を持つ六地蔵堂が祀られています。『五井の歩き方』によれば、五井町内に点在する4か所の六地蔵堂はいずれも「東向き」に建てられているのが特徴です。

これは、六地蔵の中心に西方浄土の仏である阿弥陀如来が鎮座しているため、一般に東向きに安置されるという信仰に基づいています。通りから奥まった場所に静かに佇むその姿からは、地域の人々の篤い信仰心が伝わってきます。

変わりゆく景色と古道の記憶

現在、跳ね坂のすぐ隣では「蒲郡環状線」の道路工事が着々と進められています。新しい道路が完成すれば、蒲郡インターや市街地へのアクセスは飛躍的に向上するでしょう。便利になる一方で、この歴史ある坂道を歩く旅人の姿は、次第に過去のものとなっていくのかもしれません。

跳ね坂・六地蔵の画像

地図・行き方

五井町の記事- 道中の点検

参考文献
五井町文化財調査委員会編.2023.『五井の歩き方』.三恵社
東三河都市計画蒲郡市都市計画総括図

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