社口神社・土地と農業を守る尺地の信仰
2026年2月16日
社口神社は、蒲郡市五井町西郷に鎮座します。祭神に食物と産業の守護神である「豊受大神(とようけのおおかみ)」をお祀りしています。
「社口」は、本来「尺地(しゃくち)神社」の転訛と言われ、耕地整理や境界の守護、水路の配分管理など、農業の根幹を司る地主神として篤く信仰されています。
庄屋が守り抜いた「境界」の神
明治以前、この神社は平田村と五井村の境界にあたる畑に鎮座していました。その土地を当時の庄屋が買い取り、個人名義の土地として守り伝えたことが、現在の形につながる重要な経緯となっています。
遷座(せんざ)にまつわる不思議な伝承
また、現在地への移転には、ある不思議な逸話が残っています。少し前まで一帯は竹藪でした。強風の日には必ず旧地から神社のお札がこの場所まで飛んできていていたと言います。それを見た地主の方が「社口さまがここに移りたいと望んでおられるに違いない」と感じ、現在地へとお迎えしたといいます。
西郷地区は清田との境界にあります。西田川にも近接する要所であることから、大地の精霊と土地を守る意思が融合し、神社として祀られてきたことが伺えます。周辺は大きく変化し農業の形態も変わりましたが、今も静かに地域を見守っています。
社口神社の画像




社口神社の地図・行き方
長泉寺 – 三河七御堂の一角です – 蒲郡の旅
八幡社(五井) – 安達盛長が再建しました – 蒲郡の旅
掃鏡庵(五井観音堂) – 蒲郡の旅
参考文献
五井町文化財調査委員会編.2023.『五井の歩き方』.三恵社