権現山古墳・市内最古の「横穴式石室」
権現山古墳は、蒲郡市清田町木森に位置する6世紀中頃(古墳時代後期)に築かれた古墳です。最大の特徴は、一般的な横穴式石室とは異なる「竪穴系横口式石室」という珍しい構造にあります。そして、市内では最古の横穴式石室とされ、石室の進化の過程を知る上で極めて重要な遺構で、蒲郡市の指定史跡です。
独特な石室の構造と特徴
通常の横穴式石室は、山の斜面の裾に入口があり、通路(羨道)を通って埋葬室(玄室)へ向かいます。しかし、この古墳は墳丘の中腹に入口があり、そこから玄室へ「降りていく」構造になっています。また、通路がなく一部屋のみで構成されている点。また、入口に大きな段差がある点など、古い形式である「竪穴式」の名残を強く留めています。
発掘調査で見えた当時の姿
調査時、天井石や壁の上部は失われていましたが、側壁は約2メートルの高さで残っていました。玄室の奥には大きな板石が敷き詰められた一段高いスペースがあり、床面には築造当時の敷石も確認されています。さらに、一度埋葬した後に再び入口を閉じた「閉塞石(へいそくせき)」の跡も見つかっており、複数の遺体が追葬されていたことが分かっています。
権現山古墳の歴史的価値
このような「竪穴系」の構造は、三河地方でも豊橋市や幸田町など数例しか報告されていません。権現山古墳は、単なるお墓としてだけでなく、大陸から伝わった埋葬文化がこの地域でどのように形を変えていったのかを物語る、大変貴重な資料となっています。
見学の際のアドバイス
マップ南側に古墳への入口がありますが、案内板がなく非常に分かりにくい状況です。また、駐車場や歩道はありません。現地では石室の岩の一部が露出しているものの、現在は埋め戻されているため内部は確認できません。詳細については、蒲郡市博物館の「発掘調査現地説明会資料」で確認することが可能です。
円頭大刀
また、出土品についても蒲郡市博物館に展示されています。愛知県指定文化財の「鉄地銀象嵌円頭大刀(てつぢぎんぞうがんえんとうのたち)」は、出土状態のレプリカ品と、研磨・保存処理された実物が常設展示されています。
権現山古墳の画像




権現山古墳の地図・行き方
参考文献
蒲郡市博物館 – 愛知県蒲郡市公式ホームページ
『権現山古墳 発掘調査現地説明会資料』