八柱神社(豊岡) – 八王子信仰の歴史を伝える社
蒲郡市豊岡町軒山の小高い丘に、八柱神社(豊岡)は静かに鎮座しています。文明16年(1484年)の棟札が残り、その頃にはすでに創建されていたと言われる由緒ある古社です。この神社は、明治時代の神社制度改革以前は八王子大権現社と称されていました。
創建と神仏習合の歴史
当社の旧社号である「八王子」は、神仏習合の信仰に由来します。
牛頭天王信仰
「八王子」とは、インド起源の疫病神である牛頭天王(武塔天神)と、仏教の八大龍王の娘である頗梨采女(はりさいにょ)との間に生まれた八柱の御子神を指します。
習合(同一視)
日本の神仏の歴史の中で、親神である牛頭天王は素盞嗚命(スサノオノミコト)と同一視されました。これに伴い、牛頭天王の八王子も、神道の五男三女神(天照大御神の勾玉から生まれた五柱の男神と、素盞嗚命の剣から生まれた宗像三女神)と同一の神々として祀られるようになりました。
社号の変遷と現在の祭神
明治時代に入り、神仏分離令(1868年)が発令されます。そして、神社から仏教的な要素を排除する政策がとられました(廃仏毀釈)。この流れの中で、「王子」「権現」といった仏教的な社号を改める必要が生じました。
当神社も例外ではなく、明治9年(1876年)に「八柱神社」へと改称されました。これは、「八王子」という仏教的な呼称を廃し、「八柱(やはしら=八人の神様)」という神道的な名称に改めたものです。
現在の『愛知県神社名鑑』に掲載されている七柱の祭神は以下の通りです(※八柱のうち七柱が記載されている)。
- 正哉吾勝勝速日天忍穂耳命(男神)
- 天津彦根命(男神)
- 活津彦根命(男神)
- 熊野大隈命(男神)
- 田心姫命(女神)
- 橋津姫命(女神)
- 市杵島姫命(女神)
なお『神社を中心としたる宝飯郡史』には「天之菩卑能命(アメノホヒノミコト)」が名を連ねています。
八柱神社(豊岡)の境内と参拝
八柱神社(豊岡)は、参道前の大鳥居から木々の生い茂る森の中へと続く参道を登ります。高台に位置する境内は、周囲の住宅地や交通から隔絶されています。そして、厳粛な空気が漂う聖地としての趣を深く感じさせます。
愛知県神社名鑑 – 国立国会図書館
神社を中心としたる宝飯郡史 – 国立国会図書館
- 御祭神 天忍穂耳命 市杵島姫命
- 例祭日 10月第2日曜日
- 創建年 不詳 文明16年(1484年)の棟札
八柱神社(豊岡)の画像





