不相城と蒲郡クラシックホテル

蒲郡市竹島を眼下に臨む標高35メートルの「城山」。現在は「蒲郡クラシックホテル」が建つこの地には、かつて不相城(ふそうじょう)と呼ばれる城がありました。

三河湾を一望する天然の要害「城山」

山頂からは竹島、三河大島、そして遠く渥美半島までを見渡すことができます。その眺望の良さは軍事的な要衝であると同時に、後に日本初の国際観光ホテルが建てられる決め手ともなりました。

「竹島合戦」と鵜殿氏の興隆

この地を舞台に繰り広げられたのが、世に言う「竹島合戦」です。

一説には、正平18年(1363年)鵜殿氏と、吉良西条の足利満貞支配下の遠州秋葉の天野左京亮の軍が激突。この戦いに勝利した鵜殿氏は、さらに蒲郡駅付近の「小江合戦」でも天野氏を破り、地域での勢力を確立したと伝えられます。

その後、不相城は鵜殿長持の弟・鵜殿長成の居城となり、彼は「府相鵜殿」と呼ばれました。しかし、徳川家康による「上ノ郷城攻め」の際、今川方に与した長成は敗れて吉田(豊橋)へと逃れ、城は一代で廃城になったと言われています。

昭和の「天守閣」と名木の松

昭和9年、蒲郡町と実業家・滝信四郎氏の尽力により、総工費40万円を投じてホテルが完成しました。

その重厚な建築は、本館5階部分が「天守閣」とも称され、往時の不相城の姿を重ねる人々も少なくありません。

現在、城郭としての遺構は残っていません。しかし、山頂には「蒲郡の名木50選」に数えられる見事な松の大木が聳え立っています。そしてその枝ぶりは、激動の時代を見守ってきた城山の歴史を今に伝えているかのようです。

不相城跡の動画

不相城跡の地図・行き方

参考文献
「不相城」定本東三河の城 – 国立国会図書館デジタルコレクション.
「竹島合戦』蒲郡史談 – 国立国会図書館デジタルコレクション.
蒲郡市誌 本編 – 国立国会図書館デジタルコレクション.

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