月: 2016年8月

あの頃の夏 タクシー物語

あの頃の夏

あの頃、ボクたちの若い頃と言ったら、車は必需品だった。そんな話をした。 「昨日はクルマの中で寝た あの娘と手をつないで」(スローバラード 清志郎)だったり、「二人して流星になったみたい」(中央フリーウェイ 松任谷由実)とか、「真夜中のドライブ・イン 昔のように急いで迎え…
逝く夏 タクシー物語

逝く夏

オリンピックを見ただけの夏だった。なんとなく忙しかったし、なんとなく時期を逃して、どこにも行けずに終わりそうだ。 電車に乗って、それは特別な理由がない限り普通電車なんだけれど、遠くへ行きたいと思っていたのだけれど、それもできなかった。休日は終日蟄居して酔っていて、なんと…
リオ五輪閉幕で考えたこと タクシー物語

リオ五輪閉幕で考えたこと

「死力を尽くした」とか「地獄の日々」とか「スポーツ漬け」とか、あるいは「努力」や「頑張り」なんて言葉が、部活動のシゴキを正当化するものにならないように、企業の不当労働を助長する言葉にならないように、祈った。 そして努力が正しく報われる社会になることを、敗者が正しく評価さ…
集団不適応症のボクへ タクシー物語

集団不適応症のボクへ

テーブルの上はまだ昨日のままで、そのお昼の食べ残しが散らかっていて、真っ暗な部屋の中にも、窓をキチンと閉ざした部屋の中にも、昨日がそのまま残っている。 もうすっかり氷が溶け、もうすっかり香りの失せた、コップの酒を、渇いた喉にスルスルと流し込んだのだけれど、それは今度は全…
タクシー運転手の年収 タクシー物語

タクシー運転手の年収

「月収30万~35万円可」なんて求人広告はまんざら嘘ではなくて(嘘は掲載できないだろうし)、どうなんだろう、ボクの感覚では、ちょっと頑張れば30万円は可能だろうし、その額だと社会保険とか所得税なんてものを控除されても24万円の手取りはある、と、思う。 多い人は年収600…
負けるために タクシー物語

負けるために

泣きたくなるぐらいの夕焼けだったね。 水道代を払い忘れて(忘れてだ)「給水停止のお知らせ」が届いていたので、夕方に水道局まで行った。その帰りにスーパーで買い物。その外出がなければ「終日独居」になるところで、そしてスーパーのレジのお姉さんと話さなければ、「終日無言」なんて…
最低賃金額改定で考えたこと タクシー物語

最低賃金額改定で考えたこと

「九州のほうが物価が安いですよね」 なんてSくんが言ったことがある。 そう思っているのは彼だけではなくて、きっと7割とか8割の人が、例えばここ豊橋よりは熊本や佐賀なんて地域のほうが「物価」が安いと思っているに違いない。 「そんなことはないよ。豊橋のほうが生鮮食品の価格は…
広島原爆の日とリオオリンピック開会式 タクシー物語

広島原爆の日とリオオリンピック開会式

オリンピック開会式を見ている。 この華やかさの裏に世界では、飢餓や貧困に喘ぐ人がいて、戦渦に苦しむ人がいる。開会式に参加している国家においてもだ。この日本でも貧困や格差、いわれなき差別に苦しんでいる人がいる。 相変わらず時間感覚をも失ったホームレスのおばさんは早朝から空…