月: 2014年5月

鯨の問題なのだ タクシー物語

鯨の問題なのだ

くじら、いつ食べた? 早朝6時に考えることでもないんだけれど、記憶を掘り起こしている。 たしか、20年とかもっと前か。というか「くじらを食べた」のではなくて、「おばいけ」というくじらの尾の身を塩漬けにして薄くスライスし湯通ししたものを、食べた記憶がある。 これまた「おば…
公衆電話と五月の枯葉 期間従業員について

公衆電話と五月の枯葉

まだ公衆電話を必要としていた頃には、こんなアパート界隈には10分も歩けば必ず1台は公衆電話があって、夜にもなると誰かがその電話にしがみついていた。 並ぶのも悪い気がして、部屋に戻って10分ぐらいして出直しても、まだ会話中なんてことも度々あったとしても、それはまた自分の姿…
夕ご飯何にする? タクシー物語

夕ご飯何にする?

夕方目がさめて時計を見ると、そろそろ近くのスーパーマーケットの閉店時間で、慌てて着替えて走って行った。 週末のスーパーは家族連れで賑わっていたのだろうけれど、閉店まぎわだったせいかカーテンコールも終わったやけに明るい客席みたいに、どこか間抜けな感じがした。 「銀二貫」を…
香嵐渓の夏 タクシー物語

香嵐渓の夏

きっぱりと過去を忘れて若葉かな(笠山) 転職願望みたいなものから逃れることができなくて、というか失踪願望(ボクの場合はすでに失踪しているようなもんだから、それほど社会的に影響はないだろうし、探す人もいないんだけれど)、いや消滅願望というのが正しい、そんな欲望が、ある。 …
新たな“労働時間制度”… タクシー物語

新たな“労働時間制度”…

不規則な生活をしているせいだろう、こんな時間に目がさめて眠れない。 このまま朝をむかえて、そのまま出勤するのだから、良いはずがない。 ボクにとってもお客様にとっても…。 少し湿った空気が夜の底に漂っている。そのことが安アパート界隈をもなにか異国の街のように思わせていて、…
Toyoはしごナイトがイマイチなたったひとつの理由 タクシー物語

Toyoはしごナイトがイマイチなたったひとつの理由

今年も5月19日に「豊橋駅前をみんなではしごしよう!!」ということで行うらしい…。 ほとんど興味がないし、チケットはタクシーで利用できたとしても市内客が多くて、ボクの住むタクシー業界はその恩恵にほとんど与ることもない。 おまけに平日開催なもんだから「みんな」も電車やバス…
さよなら田中和風寮 タクシー物語

さよなら田中和風寮

10年一昔と言うけれど、想い出なんてのはそれほどピンボケもしていなくて、周辺までシッカリと記憶の中に写し込まれていたりする。 当たり前のことなんだけれど、ちょうどボクは今よりも10歳若くて、夢とか希望なんて、いま考えると少しシラケるものが、未来とボクとをシッカリと繋ぎと…
休日に年休を使っちゃダメですか? タクシー物語

休日に年休を使っちゃダメですか?

2003年の労働基準法の改正で期間の定めのある労働契約(有期労働契約)の契約期間の上限が1年から3年に延長され、トヨタ自動車などの製造業においても翌2004年から期間従業員の契約期間が11か月から2年11か月に変更された。 その2004年の春はボクがトヨタの期間工として…
どうして結婚しますか? ~こどもの日に考えたこと~ タクシー物語

どうして結婚しますか? ~こどもの日に考えたこと~

いつものようにゴミ収集車が来て、いつものホームレスはアルミ缶を拾っていた。安アパート界隈にはゴールデンウィークの気配なんてものもが感じられず、これまたいつものような朝の中にひっそりと、そしてキチンとたたずんでいた。 テレビの中の喧騒はいったいどこの国の出来事なんだろうか…