個人タクシー開業、どうでしょう?
新規に個人タクシー開業することは難しいようです。今回、個人タクシーの新規参入枠が「9運輸局で341」できたそうです。
そのうち愛知県は名古屋交通圏の8枠で、東三河交通圏では新規開業枠はないそうです。
ただ、新規にできないとしても譲渡譲受(閉業する人に権利を譲り受ける)での開業という道はあります。いずれにせよ狭き門には違いありません。
新規参入枠341
この341も「特例的に認める制度」(*1)で、「これ以上ないくらい踏み込んだ対応」だそうです。(関東運輸局高橋自動車交通部長 東京交通新聞4月25日号)
「これ以上ない」対応をしなければならないほどタクシー運転手が不足しいているのに、制限があるの?そう思う人もいるのではないでしょうか?
運転手不足
前回書いたように、タクシー業界は運転手不足で、二種免許取得要件の緩和や、技能実習制度へのタクシー業務の指定の要請を行っています。
その最中ということを考えると、踏み込まざるを得なかったというのが実情なのだろうと思います。
0.141%の新規枠
全国には240494人もの法人タクシー運転手がいます。341人と言えば、わずか0.141%です。
では、その24万人の法人タクシー運転手のうち、個人タクシーになりたい人はどれくらいいるのでしょうか?その枠もない地域の運転手たちは譲渡譲受という方法で、要するに閉業する人を探さなければなりません。
そういった人たちも入れて0.141%程度なのでしょうか?
枠がなかったり、条件を満たさなかったりして、なりたくてもなれない人の方が圧倒的に多いのではないですか?
そんなに難しいのですか?
法人タクシー運転手と個人タクシー運転手の違いってなんなんでしょう。10年もの経験年数を必要とするものとは?地理の知識ですか?あるいは接客技術ですか?
それとも、公共交通に対する思い入れとか行動ですか?
それは10年もの歳月を必要とするほど難しいのですか?
規制の中の規制
この自由な社会で、タクシー事業に参入することが実質不可能で、さらには、個人タクシーにもなれない、そんな業種ってあるんでしょうか?
桃栗3年柿8年達磨は9年で個タクは10年・・・。達磨大師の面壁よりも長い時間を要するなんて・・・・・・。
10年という条件について
10年で
40万キロ走行
10万キロ走行
5万キロ走行
3万キロ走行
3年で
10万キロ走行
似て非なるものが5番目で同じ10万キロを走行しているのに条件を満たしません。
個人タクシー開業の条件を満たすために、働かない運転手を見てきました。彼らの言い分は「事故を起こしたらどうするんだ」というものでした。確かに正論です。
しかし、タクシー会社は個人タクシー養成所ではありません。個人タクシーになる人のために、ならない/なれない運転手が走り回って稼いでいるわけでもありません。
個人タクシー開業条件の緩和を
思うのですが、3年ぐらいで良いのではないですか。開業や独立、自分の店を出すことは職業人として夢や希望でしょう。生きがい(働きがい)かもしれません。
それを拒むような規制のありかたは、どこか異常にも感じます。
本当になりたい人、なってもらいたい人、そういう人たちが業界から去ってゆくのも見てきました。
推薦枠(自己推薦含む)や、特別枠を設けて、人材を確保する制度こそ、本当の「踏み込んだ対応」です。人材はボクたちの周りにいます。
*1 タクシー適正化・活性化特別措置法(改正タクシー特措法)では、特定地域に指定された交通圏では「新規参入要件を厳格化」という措置がとられるため増車は、特定地域では禁止、準特定地域では許可制になっている。
個人タクシードライバーの若返り 制度を導入へ | レスポンス(Response.jp)
新型コロナウイルス感染拡大の影響によるタクシー需要も減少し、タクシー運転者の中には、法人タクシーから解雇され、個人タクシーの営業に必要となる地理試験が免除対象となる、法人タクシーでの一定の勤務継続期間を満たさなくなったケースもある。