タクシー運賃値上げについて(まとめ)

北九州のタクシー運賃値上げ、東京特別区・武三、名古屋、そして岐阜(岐阜交通東部が5月20日に申請)と次々に値上げ申請が行われている。

今後さらに各地に波及されることだろう。

岐阜交通東部の申請理由も「新型コロナウイルス禍による乗客の減少や燃料費の高騰、県内の最低賃金の引き上げ、キャッシュレス決済の導入による経費の負担増」と、新型コロナ禍を第一の理由としている。

 岐阜市や各務原市、美濃加茂市などを拠点にタクシー事業を展開する岐阜交通東部(岐阜市)は二十日、タクシーの初乗りや加算運賃の値上げを求めて中部運輸局岐阜運輸支局に運賃改定を申請した。

タクシー運賃の値上げを申請 岐阜交通東部(中日新聞Web) – goo ニュース

運賃値上げについて考えてきたこと

これまで、何度か考察してみた。運賃と賃金についても考えてみた。

そうした中で、結局、新型コロナ禍という「異常な原価」下での「経費の負担増」を値上げ理由にしていいものか、という疑問を持つことになった。

燃料費高騰についても、燃料価格激変緩和対策として遡って2022年1月から支援を受けている。(愛知県では独自に価格上昇分に対する支援もあった)

事業者が「儲からない」から値上げする。確かに合理性はありそうだ。しかし、(公共交通として)事業者ばかり保護されるような申請理由にも違和感をおぼえる。

現在の経営悪化には労務問題、労働環境悪化による運転手不足も要因としてあげられる。そのことは、これまで業界が問題を先送りにしてきたツケなのではないのか。

新型コロナ禍が原因ですか?

燃料費高騰についてはすでに支援されている。燃料費が下落したら運賃を値下げするのだろうか?

キャッシュレス決済の導入についても国の補助事業の対象だった。

最低賃金はなにも「県内」だけの話ではない。

いや、最低賃金が「高い」とか、この国の賃金が「高い」ということではなく、そもそものタクシー運転手の賃金は低すぎるのに、便乗的に最低賃金を理由にしていることの正義を問うているのだ。

運転手の低賃金と謎の運転手負担

運転手の賃金は歩合給によって自己責任で放置される。

キャッシュレス決済の手数料を運転手に負担させている事業者もいる現状で、理由にならん。ということなのだ。

運賃が値上げした暁には、運転手の賃金が値上げ上昇分上がり、不当な運転手負担はなくなるのですか?

相変わらずではないのですか。

経営努力はしていますか?

要するに、困ったら「値上げ」申請する。それも20%以上の高い水準での値上げだ。

事業者ばかりが保護され、運転手も利用者も保護されない。

そんなタクシーの(公共交通としての)運賃値上げについての道義性について問うているのだ。

運転手の労働条件改善を

運賃値上げは営業収入を増加させるだろう。しかし、今のままではタクシー以外の移動サービスの需要を喚起する。労務倒産する事業者も出てきている状況で、値上げが根本的な解決策にはならない。

というよりも、移動サービスという共有地は、これまでは需給バランスで説かれていたが、現在は数だけではなく、多様化し立体化している。

そういった中で、タクシーの存在自体が共有地の悲劇を惹き起こす。タクシーの存在というよりも、タクシー運転手の存在と言ったほうがいいのかもしれない。

ということで、まとめ、というか、今回もウダウダになったけれど、下のリンクは、さらにウダウダ書いています。

個人的には、タクシーに未来はない、そう思っていて、そろそろ引退をしようと考えています。

 

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