運賃値上げ申請、どうなる名古屋のタクシー
3月31日に、つばめ自動車が中部運輸局に運賃値上げ申請をした。そのことについて既に私見を投稿した。(以下リンク先)




申請内容をもとに、名古屋、東三河、東京特別区の現行運賃と申請運賃とを比較グラフ化した。
3.44%の申請率
3月31日の申請から1週間後の7日までに申請率が3.44%だった。そして、180台分の運賃値上げ申請があったと、トラノーバが伝えている。
この180台というのは、つばめ自動車の本社70台、前山町55台、平田の3営業所55台の合計数にあたる。つまり、つばめ自動車本体しか申請していないことになる。
また、その一週間後の14日に、名古屋タクシー協会(会長:天野清美つばめ自動車社長)が、「運賃改定の早期審査開始と認可を求める公明党への要望書を出した、ということが報じられた。
いずれにせよ、3か月後、6月30日までに名古屋営業区域の法人事業者全体車両数(今回の場合約5,232台)に占める法人事業者の申請車両数の合計の割合が7割(約3663台)以上になった場合に運賃改定手続きを開始することになる。
つばめタクシーと名鉄タクシーHD
つばめタクシーグループの保有台数が1138台。そして、名鉄タクシーHDの保有台数が986台、両グループで2124台になる。そしてそれは名古屋のタクシー台数の40%にあたる。(3. つばめタクシーグループ1138台+名鉄HD986台)
その名鉄タクシーHDは「名鉄タクHD浅野社長 運賃改定に前向き」という記事が東京交通新聞(第3018号)に掲載されいる。その中で浅野社長が「コロナで相当業績が悪化している。さらに燃料、油脂、タイヤといったものの値段の上がり方が半端じゃない。(申請に)賛成する」とコメントしている。
「(申請に)賛成する」ということは、いよいよ名古屋交通圏のタクシー運賃が値上げが本格化した。
運転手の労働条件改善こそ業績改善なのだ
これまでも書いてきたとおり、運転手不足やサービス品質向上のためにと、運賃値上げが運転手の労働条件改善に繋がらなければならない。要するに、労働条件の改善なくして業績改善は見込めない。
だから、値上げ理由に「運転手の労働条件改善のため」という文言を入れてもらいたい。そしてそのことを世間に訴えることが正しい経営思想なのだ。それが言えないから企業一流人材三流なんて言われるのだよ:p