タクシーと自転車、ほの国おいでんタクシー事業

タクシーと自転車、そう書くと「だよね、危なないんだよね、タクシー」とか、「チャリ、道交法守れよ」なんて仁義なき戦いの予感……。いえ、そうではありません。サイクリングでの「まさか」の時に、タクシーが救援に行きます。そんなタクシーと自転車の優しい関係のことです。ここ、東三河地区はサイクリストに優しい町なんです。

サイクリストに優しい町

東京から1時間半で到着したJR豊橋駅。構内にあった更衣室でサイクルウエアに着替える。他にも豊橋鉄道にはサイクルトレイン、駅前には自転車組み立てスペースまであるようだ。見知らぬ土地のサイクリングは楽しみな反面、緊張も多いけれど、こんなウェルカム体制だと嬉しくなってしまう。

歴史と自然あふれる三河の国へ|JAPAN ECO TRACKの旅 – 体験レポート|ジャパンエコトラック公式サイト|JAPAN ECO

ジャパンエコトラックとは

ジャパンエコトラックとは「トレッキング・カヤック・自転車といった人力による移動手段で、日本各地の豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しみながら、旅をする」ことをコンセプトにした、「新しい旅のスタイル」です。

そして、移動の原点である人力で、日本を旅することにより、「人生が豊かになります。自然や文化についての考え方も変わり、過疎になった地域が生き返るかもしれません。そのことは国土の再生に繋がります。」(養老孟司推進協議会代表理事)そんな目的を持った事業です。

ジャパンエコトラック公式サイト|JAPAN ECO

とても良い事業だと思います。それに、地域だけではなく、私たち観光産業や地元住民の活力になると思います。既存観光地の再生にも、外国人旅行者誘致にも、大いに役立つに違いありません。

長期休暇が取れる労働環境の整備

でもね、人力による旅、それができるぐらいの労働環境の整備をしないと、年間たった5日間の有給休暇を義務化しなければ取得できない労働者が多いこの国では、いよいよその「人生の豊かさ」の格差が拡大します。それに、地域格差もさらに拡大するのではないかと、危惧しています。結局、リタイヤしなければ、長期間の休暇も取れません。そんな状況で、登山ブームと同じように、高齢者トラックになったりはしないかと…。

いえいえ、そんな心配をしているのではありません。ここ東三河は山あり川あり谷あり海あり、自然がたっぷりとあります。ボクがこうして移住して根付いてしまいました。それは、魅力ある場所や人が多いからです。

エコトラック東三河のルート

サイクリングルート

  • 東三河サイクリングルート(108.5km)
  • 奥三河サイクリングルート(64.9km)
  • 豊川上流・つくでサイクリングルート(69.6km)
  • 豊川歴史探訪サイクリングルート(38.8km)
  • 蒲郡・三河湾スカイラインサイクリングルート(55.9km)
  • 渥美半島サイクリングルート(101.4km)

トレッキングルート

  • 宇連山登山ルート(11.2km)
  • 鳳来寺山登山ルート(9.6km)
  • 本宮山登山ルート9.9km
  • 葦毛湿原・神石山登山ルート(7.7km)

パドリングフィールド

  • 豊川パドリングフィールド

の、11ルートです。東三河(愛知県)|エリア紹介|ジャパンエコトラック公式サイト|JAPAN ECO TRACK

ジャパンエコトラック東三河ルートマップ タクシーと自転車

トレッキングルートは、体力に自信がある人ならば、県民の森~宇連山~鳳来寺山の縦走コースもおすすめです。また、本宮山は頂上からくらがり渓谷ピストンも、違った風景を見ることができておすすめです。

県民の森~鳳来寺 – 道中の点検
本宮山‐くらがり渓谷ピストン – 道中の点検

そして、サイクリングルート。1泊、あるいは2泊3泊で、全ルートを走行する人もいるのでしょう。山あり川ありの自然満喫コースです。参加しやすい、ジャパンエコトラックの東三河ルートだと思います。だからこそ、トラブルに遭遇する可能性も多くなります。

タクシーと自転車

そのために、人的物的整備が進められているのでしょう。とはいえ、通行する人も車もないという状況になることも考えられます。ルート上で遭難することもあるでしょう。山での遭難は、警察です。自転車の故障などのトラブルが起きたら、自動車ならJAFですが、自転車はJSFなんて組織があるのでしょうか?

サイクリング救援タクシー

そんな、もしもの時のために「サイクリング救援タクシー(渥美半島エリア限定)」やってます。(やってました。今回の実証実験は終了しました)

ほの国おいでんタクシー事業

この救援タクシーは、中型タクシーではなく、11人乗りのジャンボタクシーで救援に向かいます。そして、自転車をそのまま載せ、目的地までお送りします。それが「ほの国おいでんタクシー事業」の「ジャパンエコトラックサイクリング救援タクシー」、自転車とタクシーの実証実験でした。

実証実験について

実証実験が終わり、問題点として

  1. 「救援」という目的なのに予約制になっている
  2. 1,000円という料金設定で、どこが不足分を補てんするのか
  3. 迎車場所が確定しにくい
  4. ジャンボタクシーの所有台数

の4点が考えられます。

1については、即時配車にして、いつでもどこでも救援に行けるようにする。そして3の問題解決のために、ジャパンエコトラックアプリにタクシー配車機能を追加する。(というか、問題点の顕在化のための実証実験なので準備不足です)

2については、タクシー会社に1,000円でやれ、なんてのは無理です。ジャンボタクシーの貸切料金は1時間9,770円です。メーター時間制運賃だと初乗+2メーターで終わります。ならば、サイクリング保険を整備して、例えば1日500円程度の加入で「もしもの時」に備えるような仕組みにすれば運用できるかもしれません。あるいはJAFのような仕組みで、保険会社などのがタクシー会社に実際にかかる料金をしはらうようにすれば解決すると思います。

4については、ジャンボタクシーでの運用は限定的なので、中型タクシーに脱着式自転車積載装置を配備し、中型タクシーでの運用のほうが、圧倒的に即応性、即時性があります。奥三河サイクリングルートを除けば1時間以内で対応できるのではないでしょうか。

移動で人を幸せに

ジャパンエコトラックのコンセプトは人力での移動です。そのうえで、すべてのルートで必要なのは、「もしもの時」を救援する人であったり、施設だったり、手段でしょう。また、出発地までの潤滑な移動、例えば、自宅から駅まで、駅から出発地までが、スムースでなければと思います。ゴルフ宅配便のような自転車宅配便や、カヌー宅配便なんてものが、簡単、安心、便利に利用できるような仕組みも必要なのかなあ、なんて思っています。

移動で人を幸せに、それがタクシーのあり方だとすると、「人生の豊かさ」や「地域の活性化」に資することもボクたちの使命でしょう。とすると、こういった「救援タクシー」は、現在行われている「安否確認タクシー」「みまもりタクシー」と同じように、今後もっと違う場面でも必要とされるのだろうと思います。

モンベル プラチナ会員カードとピンバッチ

というボクは、モンベルのプラチナ会員だったりする。そして、タクシーにも乗る、自転車にも乗る、自転車を乗せる、のだ。

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