タクシーの終りの始まり
タクシーの終わりの始まり。いえ、正確にはタクシーは残るのだけれど、タクシードライバーという職業はなくなるのだろう。
グーグル「無料送迎タクシー特許」に透ける野望 :日本経済新聞
将来的には、ドライバーが不要な自動運転車を同社の配車サービスに活用し、コストを大幅に引き下げるのが狙いだ。米コロンビア大学の試算によると、わずか9000台の自動運転車でニューヨークのすべてのタクシーを代替することが可能であり、ユーザーの利用料金を0.5米ドル/マイルに下げられるという。
ここまで利用料金が引き下がれば、クルマを所有するよりも単位走行距離当たりのコストは低くなる。Googleによる「広告モデルの無料送迎タクシーサービス」と相まって、消費者がクルマを所有する必要性が大幅に薄れ、多くの消費者が自動運転タクシーを利用するようになる可能性が高い。
タクシーに未来はあるのか
自動運転が実用化され、さらに、タクシーも無人化されるようになると、これまでの業態は大きく変わることになる。
自動化になれば、多くのタクシードライバーは職を失うことになる。そして、アプリ配車が主体になれば、配車センターなんてものも不要になる。それでも、整備工場はこれまで通り残るだろう。とは言っても、自動車所有率も大幅に低下することにより、整備工場の質も変わる。
少子高齢化がこのまますすむと、クルマがさらに売れなくなる。そして所有するより自動運転になり、今よりも公共化が進んだタクシーを自家用車代わりに利用するようになる。運賃も1/10程度になるかもしれない。
さらに、カーシェアリングなんてもので借りる場合においても、自動運転で自宅まで車を配車してくれるのだから、所有する利便性なんてものも希薄になる。
新しいタクシーのあり方?
「新しいタクシーのあり方検討会」なんてワーキンググループで議論されている「新しいこと」なんてものは、その時点で陳腐化される。「ドア・ツー・ドア輸送」というタクシーの特性なんてものは自動化によってなくなる。交通弱者なんてコトバも死語になる。さらに、交通事故も劇的に減少する。良いことばかりだ。
それに便利だ。無人の無料送迎タクシーなんてものが実用化されれば、予約から帰宅まですべてスマホで出来るようになる。どれほど酔っぱらったとしても安心だ。グーグル先生がこのアパートまで連れて来てくれる。
タクシーの終わりの始まり
あと10年、いや20年後には、きっとそうなる。業界が反対しようが国交省が規制しようが、あるいはトヨタ自動車が抗議しようが、きっとそうなる。無人化すれば、(軽井沢スキーバス転落事故でも問題視された)運転手の高齢化や低賃金、運行前点呼や行程表なんて人為的問題がすべて解決される。「人」に由来する危険を排除できる。
だから誰が何と言おうと、自動運転タクシーやバスは運行される。すべては人のため、人命こそがすべてに優先されるからだ。ボクたちがどう足掻いても、自動化による産業革命は起きている。そして進化し、加速している。
安全と安心、Googleタクシーについて考えたこと – 道中の点検