悪月

水たまりに落葉
田原市博物館前

運の悪い月やめぐり合わせのよくない月を悪月(あくげつ)と言うそうです。「《中国で五月を凶事の多い月とし、また、五月五日の出生を凶としたところから》陰暦五月の異称。」と大辞泉にはあります。

また、運とは「人の身の上にめぐりくる幸・不幸を支配する、人間の意志を超越したはたらき。天命。運命。」となっています。

ま、しかし、危機管理意識である程度この運というものは変えられるのかもしれませんね。そう思うことのできるのも「運が良い」と言うことなのでしょうか?開運とか運を引き寄せるとか、運にまつわることは身近に無数にありますね。運転というのは運を転がすと言うことなんでしょうか?まさか?でも、もしそうだったら言い得て妙ですよね。

Sくんの話は前にもしたのですが、今回は運のない話です。

先日の母の日の話なんですが、母親思いの彼は「なんにもしてあげられないから」とお金を送ったそうです。彼にも支払いなんかがあって、それに、連休明けの給料日前だったので、その分は前もって取っておいたそうです。なけなしの虎の子だったのでしょう。

11日。九州に住む母親に届くのは13日か14日だろうと考えたそうです。「母ちゃん、ごめんね」と短い手紙を同封して。それが彼の書ける精一杯の言葉だったのでしょう。

ところが運が悪いことに、その手紙が届かなかったそうです。母親は地元の郵便局に手紙の紛失届けを出しました。郵便局員は母親の住むアパートの各部屋や近所に間違って届いてないか訪ねたそうです。彼は普通郵便で送ったので、その手紙はもう出てこないのかもしれません。郵便局員ももう一度調べるとは言ったそうですが、出てくる可能性は少ないだろうと思います。

運が悪い。運の悪い人生を送ってきてなお、この運というのは彼に仕打ちを加えます。

どうして書留で送らなかったのかと言っても、その数百円がもったいなかったのでしょう。運の悪さが悪い運をもたらすのでしょうか。ボクは「危機管理の勉強代と思わないとね」としか言えませんでした。泣けましたが。

きっと、母親はわが子の運のなさに、涙を流したことでしょう。「しかたない」と言ったそうです。それはどうしても抗うことの出来ない「運」と言うものに対しての気持かもしれません。
「でもね、とっても良い母の日になったかもね」。Sくんも泣き出しそうでした。

2件のコメント

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    こんばんは。
    今日25日は給料日ですね。明細をもらったのですが、残業が少なかったので、先月よりはかなり少なかったです。
    そうですね。悪いときには、逆に良いことを思わないと、いけませんよね。郵便局を恨んで火を付ける、なんてことになったら、更に「深みにハマる」のでしょうからね。世の中そんな事件も多くありますものね。
    これを書きながら、やはり、ま、なんていうか、泣けてきました。無口でいつもひとりでいる人だから、なおさらなんですが。ま、そういっても、ボクがそういっても、しかたないんですが。
    どうもありがとうございました。

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    実際に私がSさんになんて言っていいのかと思うと、何も答えられませんね。気の毒は気の毒なんですが・・・。
    基本は、モチベーションなんでしょうね。
    運が悪いときは、悪いなりに、物事をプラス思考で考えないと、ドンドン落ち目になり、さらに深みにハマるんじゃないでしょうか?自分にもあてはまります。
    この出来事を教訓にですよね。
    著者同様、ソレしか言いようがありませんね。カナシイケド。。。

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