忠誠心と期間工
「終身雇用と年功序列は、日本社会が考えたセーフティーネットの最たるものだ。非正規社員ばかり採用すると、忠誠心がなくなる。自分の会社に骨を埋める層を確保する方が、会社にとっても良い。」とは小沢新民主党代表の発言です。
忠誠心と非正規社員
正社員登用を促進するための発言なのでしょう。どうも忠誠心と非正規社員との関係は「なくなる」というほどのものでもないように思います。またセーフティネットというのは、もっと違った意味のものであるようにも思いますが、それはさておき、忠誠心です。
「なくなる」という主語は正社員でしょうか?それとも非正規社員なのでしょうか、それとも全ての社員なのでしょうか。どちらにしてもその割合が例えば現在の田原工場ぐらい(期間工や社外応援者などが全体の30%強)だとしても、忠誠心がなくなり商品に影響が出るほどのことではないと思います。現にトヨタはそれで業績を伸ばしているのですからね。
職場環境
前にも書きましたが、正社員と非正規社員との関係が良好であれば正社員100%の職場よりは良い結果がもたらされると思います。まあ、小沢さんの発言は「ばかり」となっているので、期間工ばかりだとやはり問題でしょうが…。忠誠心、愛社精神というのはしばし近視眼的な思考になりがちですからね。
高度成長期には高速道路や新幹線が次々と建設されました。土木・建設関係の仕事は出稼ぎという非正規社員によって行われました。特にトンネル工事については豊後土工と言われる大分県からの出稼ぎ労働者が大いに貢献しました。プロの非正規社員集団とも言える人たちが存在しました。そういえば酒造りの杜氏なんてのプロの非正規社員集団という感じがしますね。
自分の仕事への忠誠
こういった人たちは何も会社のためとかはそれほど考えなかったのではないかと思います。何を考えたかというと自分たちの仕事へのプライドと親方への忠誠心だと思います。それは忠誠心と大雑把に言うのではなくて、恩や義理や人情といったもののように思います。
会社が大きくなればなるほど会社と言う組織は漠然としてきます。ボクたちが言う会社とは上司であり同僚であると思います。その職場環境が良ければおのずと忠誠心はわいてくるのではないかと思っています。
名古屋駅ビル(ツインタワーだったっけ)

