タクトタイムは30日
Jが財布を落として、もう一週間過ぎた。そのことでボクたちは少しばかり険悪な雰囲気になり、「もうお前の顔なんて見たくもないよ」なんて、少し思ったし、Jも「こっちこそ」なんて思ったに違いなかった。
確か2000年だったかな、この街にもかなり雪が降ったんだよね。
性格の不一致なんてことで、人間関係なんてのは一気に崩壊するらしいのだけれど、ほんとうのところは性格というよりも、「オレは間違ってないもんね」という自己正当化というか、意地というか、性格という人類誕生以来連綿と積み重ねられたものではなくて、他人から見れば、いや当の本人だって「え、たったそれくらいのことで」と思うぐらいの言葉で、顔もみたくない程になるのだろう。言葉が性格と一致するんなら、ま、それは、「オレのことまったく分かってないね」ってのは「オレの言葉を…」ってことになるんだろうから、結局は、性格の良い人ってのは、言葉使いの巧みな人と同じことになるのではないかと、二日酔いの頭で考えているんだ。
そうなると声の質も問題になって、ボクのようなセクシーな声ってのは、かなりお得なわけで、「あ」と言おうが「い」って言おうが、もうそれだけで髪を撫でられた(時には頬を撫でられた)ような感じになるそうで(いや、マジで、本当だってば。このブログも読んで聞かせたいぐらいなんだから)「きみの髪はすてきだね」なんてことを「あ」で表現しているようなもんで、もうそうなると、記号論なんてのは、かなり不規則なものになって、というか、原始記号論になってしまうので、言葉=性格だとすると、これは、もう、声の質=性格になってしまって、フーコーやジェラール・ジュネットが言っていることも、違ってくるのかもしれないと、二日酔いの頭で考えているんだ。
#「体型別性格類型」というのがありますよね。
Jの財布の中には3万円というお金と、免許証、カード3枚が入っていたんだけれど、ボクたちが「顔をみたくない」なんて思うほどの原因になったのは、Jが財布を落としたことよりも、落としたあとの行動があまりにも、「もういいよ」ってな人生まで喪失したような感じがしたからなんだ。
ボク「しかたないよね」
J「そう、しかたないよね」
ボク「探した?」
J「探した」
ま、落し物をした時の定型文を復唱するような作業を終わらせて、
ボク「電話した?」
J「どこに?」
ボク「カード会社とかに」
J「明日でいい」
ボク「なんで?」
J「夜だし」
そうなると、ボクのセクシーな声ってのが、例えばセクシー度満点の時が10としたら、徐々に低下していって、セクシー度5ぐらいになって
ボク「え?夜は関係ないよ」
J「大丈夫」
ボク「なにが?」
J「大丈夫だって」
ま、こうなると、セクシー度も1になってくるってもんで、「オレは心配してんだぞ」みたいに「オレ」というものが表出してきたら、もう「オレオレ」みたいになって「オレが正しいに決まってる」なんてことになって、「オレが全てだ」ってこと近くまでなって。「オレじゃないオマエが悪い」なんて当たり前のことに対して怒っているようなもんで…。
で、ま、なんとかお願いして説得してカード会社やら警察に電話して「やっぱりオレが正解だよね」なんて安堵したのですが、結局「やっぱりオレ」ってことを思いたかっただけなのかなあ、なんて思って「ゴメンゴメン」なんてセクシー度20ぐらいの声を出すボクも、ま、なんですよね。
免許証は免許センターで即日発行、カードは某地方銀行が一番に届き、次がイオンカード、そんで、これが言いたかったのだけれど、郵貯カードはまだ届いてない…。で、「ひと月たっても届かない場合は、連絡してください」ということで、「え、そんな1ヵ月なんて長い期間、今日届くか、明日届くか待たなければならないわけ」なんて思うと、「やっぱ性格ってのは、声色を変えるようには出来ないもんかもねえ」とセクシー度10ぐらいの声で言ってるんです。
性格ってか体質っていうんですか、世間では:P
イオンクレジットカード
イオンクレジットサービス株式会社 様々な提携クレジットカードを有する、「イオンクレジットサービス」トイザラス、ガソリンスタンドから、Suicaカードまで。ビックリしたのは、マクドナルドの提携カードもありやんす。「マックジョイクラブ」だって。ほとんどの