トヨタは死んだ、のか?

「ブランドは死んだ」という議論は、ユニクロを例にすると分かりやすいと思います。1990年以降の企業は低価格競争を強いられて、コストカットやプライベートブランドの開発を至上命題にしていたのでしょう。ユニクロという、いわば「ノーブランド商品」がその低価格と商標を表示しないという戦略で売上を伸ばしたのも同じ時期で、左胸あたりについているマーク(商標)を自慢することを止めて、低価格でどこのブランドか分からない無印が、人気の原因だったと思っています。

で、今さら燃費を30%向上させることにどれだけの意味があるってんだよ。世界的な自動車保有率上昇の前には、焼け石に水ってもんだろう。それよっか、自動車出勤禁止令、休日自動車運転禁止令ってほうが、現実的ってもんで。
ところがユニクロがブランドになっていくと、「皆が持っているブランド」ということになってしまい、その無印という価値が失われたということから、売上が低下していったと考えています。ようするに人びとは「違うもの」を求めていて、それが「同じもの」になったときに、その価値がなくなるということです。
ところが、2000年代になるとユニクロのプライベートブランド(private brand・流通業者商標)であるコラボTシャツを発売し、最近ではカシミアのセーターやダウンジャケットなどの低価格ではない商品を発売して、ユニクロ内のブランドを作り上げたことによって、再度売上を伸ばしているように思います。
ブランドの創造と言ってもいいでしょうね。プライベートブランド(PB)は、これはなにもユニクロだけではなくて、ダイエーの「セービング商品」(今もあるのでしょうか?)や、ジャスコの「トップバリュー商品」などのように、どちらかというと低価格で開発し、ナショナル・ブランド(national brand・生産者商標)との対決というものではなくて、どちらかというと棲み分け商品という目的のもののほうが、始まりだったのでしょう。
消費者の価値基準が多様化していますから、それにメーカーがどう合わせるかということになると、もうボクたちはメーカーというものに盲従するのではなくて、逆にメーカーがボクたちについてくるしか生き残れない状態がブランドの死を意味するのだろうと思っています。
なにもユニクロだけがPBのPBという戦略を取っているのではなくて、もう分かっていると思いますが、トヨタもそのユニクロ戦略を行なっていますよね。レクサスはさしずめユニクロのカシミアセーターでしょうし、プチトヨタは1000円フリースと言ったところでしょうか。「ネッツ」のロゴをフロントに大きく表示するという手法もそうですよね。脱トヨタということでしょうか。トヨタブランドのプライベートブランド戦略なのだと考えています。日産のNかと思う人も多いようですが、実はトヨタとしてはトヨタとかけ離れたイメージを持ってもらう戦略ですから、それで「良い」のでしょうね。もう少し傾くと「Z」に見えますしね 😛
#パッソ、プチプチ脱トヨタ~♪って歌ってますよね?;)
実はもうひとつトヨタには問題があって、それは今後ますます厳しくなる自動車にたいする規制問題の解決策というか、担保としてのブランドの分離というのがあると思うのです。それは(cache) 自動車メーカー残り寿命10年? – ニュース – nikkei BPnet、という2015年問題とそれ以降です。
2015年からは自動車メーカーを取り巻く環境は厳しさを増していくだろうと思います。売れない時代に突入するのもこの時期でしょうね。あと10年。トヨタが生き残るためには、細胞分裂を行い、違う生物となって生存をはかる方法とともに、企業内淘汰が行なわれるのだろうと思います。
恐竜時代が証言しているように、モンスターは死滅するということを、トヨタという得体の知れない生物は感じていて、ネズミになろうとしているのかもしれませんね。種の保存ですね。いずれはこの国を捨てて、戦艦トヨタとなって動き出すのかもしれませんしね…。って、ここまで書くと妄想ですが……。

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