明日は見えますか?

仕事中にないたことありますか?
ボクは泣いたことありますよ。思いっきりというのではなくて、涙ぐんだという感じですけれど。

何をたよりにしていますか?その笑顔ですか?
田原の朝は少し海からの湿気があって、何かに包み込まれる感じがしますよね。

前の仕事の時も、たまに涙を流していました。2004年に辞めたのですが、その頃鬼束ちひろの「月光」を車の中で聞いていて、そのワンフレーズが頭から離れず、そして泣いたことを憶えています。

How do I live on such a field?
こんなもののために生まれたんじゃない

その頃はやはり「なんでオレ、こんなことしてんだろ」なんて考えていました。仕事も自分からというものでもなくて、「頼む」と言われてはじめた仕事でしたから、その10年間という間の自分に納得いかないまま、そして時間だけを無意味に消化していたように感じていました。「なんのために」なんて思い始めるとキリがないもので、労働と引き換えられるのは「その対価である賃金だ」と割り切ってしまえば/割り切ることが出来ればよかったのですが、やはり「生まれた理由」なんてのを考えると、その時の自分もそして仕事自体も意味のないものに思えたのです。
そんなことを考えていて、そして「月光」のメロディーが聞えてきて、ツーっと頬に涙が伝わる…。「何してんだろうね、オレ」なんて考えてしまう。
トヨタでも泣いたことあります。やはり同じような理由です。「なにやってんだろうね」なんて、毎日同じことの繰り返しに無意味さを感じたのです。確かに良い車を造ること、というのは意義のあることでしょう。でも、それが感じられますか?「ああ、オレ、今日も良い製品を造ったよ」なんて満足してロッカーで着替えていますか?
ちょっと違う感覚ですよね。ライン作業なんてのはやはり仕事ではなくて作業で、ほとんど考えることなく、同じ動きをするということのようなものでしょう。そしてその動きというのはタクトで拘束されているので、他のことをする余裕もありませんからね。思考も同じで、何も考えることができないほどの早さですよね。
他のことをする余裕や、何も考えることができなほどの早さではなくて、他のことをしてはいけないし、何も考えてはいけない、というのが正確でしょうね。それが標準作業というもので、要するにマニュアルなのでしょう。仕事とは少し違う感じの、身体の動き。やはりラインダンスを踊っているような感じ。同じステップをタクトタイムで繰り返す動き。
ラインダンスを踊りながら、きっと家族のことや愛する人のことを思い出しながら、それが「ここ」に来た目的になるのなら、それはそれで幸せなのかもしれないですね。痛みや苦しみなんてのと引き換えに、ちっぽけだとしても幸せを手にできるのならば、自分が生まれてきた理由というのも、見つかるのかなあ、なんて考えています。そのためには、夢も必要なのだろうと、いえ、みんなで夢を見ることこそが、大切なことなのかもしれないと、思っているのです。
そんなこと考える余裕があるのなら、もっと仕事増やせ、なんてことになるのがTPSなのかもしれませんが 😛

8件のコメント

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    dさん、こんにちは。
    「笑えば」ですか。なんでもないこと、風景や、ボクたちにとっては、夕餉のにおいとか、家族が一緒にいる風景なんてのも、「なんてことない」ものなのでしょうが、やっぱり泣けてきたりしますし、そういう人が多いかなあ。
    確かに、作者の意図とは違った受け取り方ってのはあって、聞く人の状況や、それに場所やなんかでも、意味が違ってくるのでしょうね。
    そんな意味では、言葉ってのは、難しいですよね。

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    こんばんは。月光ですかぁ。僕が涙してしまう歌はウルフルズの「笑えれば」ですかね。自虐的なんですが笑えない人生を歩んでるんで、聴く人にはなんてことない歌なんでしょうけど心の琴線が奏でられてしまいます‥(苦笑)

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    こんばんは
    >もっちんさんへ
    そうですね、商品が微妙に違っているものだと、仕事に対しての意識は違ってくるかもしれないですね。自動車工場ですと、完成品を見ることのない人たちの方が圧倒的に多いですから、商品や顧客なんていわれても、ピンとこないと思います。
    完成品どころか、どこの部品か分からなかったりしますからね。
    職人という意識はあったとしても、ラインのスピードが…。ま、ライン作業での職人技ってのは、いかに早く正確にするか、という競争技になるのではないかと思っています。
    トヨタ方式のほうは、横領かなんかで逮捕者が出ていましたよね。キリスト教徒、だからかもしれませんね。ボクは職場に宗教色があってもいいと思っています。でも、日本の場合は、創業者がその教祖になるからなあ。
    >ヒデチンさんへ
    そうですか。ボクも、あの歌は衝撃的でしたよ。でも彼女、最近見ないですね。どうしたんだろう。
    >muko47さんへ
    ご結婚記念日だったのですね。憶えておられるのが、素晴らしい。って、こちらでお一人で住んでいらっしゃるので…思い出したとか?(^^;
    なんですね、やっぱり年齢ってのは、それだけで孤独にするのでしょうね。若い人たちと一緒にってことも面倒くさいし、まして、妙になれなれしくもなれないし、して欲しくもないし。
    奥様が愛おしいなんて言えるのも、そして、ま、言いなりになれるのも、素晴らしいですよ。
    えっと、ボクは、なんになろう?
    >名無しさんへ
    「ありがとう」って、言ってもらえるなら、ま、それも十分頑張ろうって気にさせると思います。
    会社の人からでも、家族からでもいいのかもしれませんね。働くのが当たり前だから、そういう言葉も仕事に対して言えなくなっているのかもしれないですね。
    「ありがとう」かあ。

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    明確な目的意識や先へのビジョンがないと、仕事でモチベーションを保つのは難しいですね。前記の思いがあっても時には落ちる事がありますから…
    あと労働の対価に、賃金に加えて他に何かあると違いますね。今の自分の場合は陳腐かもしれませんが「ありがとう」って言葉です。

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    明日って明るい日と書くよね、明後日は明るかった後の日って書くけど~キカーンのBGM~

    俺は涙を流さないーロボットだからマッシーンだっからー だけどわかるぜ、君のこころー、マジンガー今井Kです。 田原さんとこは良い文書くよねぇ・・・ ・・・鬼束ちひろの「月光」。 泣けますね、えぇ。確かに泣けます。 そしてよおぉーくわかるんですよ、ラインで作

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    田原笠山さん、こんにちは。先日 書込みをさせてもらった元町の期間工muko47です。
    昨日 3月27日は僕の結婚記念日だったということもあって、一人で過す いつもと同じ筈の一日を霧消に淋しく、また虚しく過ごしました。偶然にも(一緒にしては失礼ですが)田原笠山さんが《生きる》の意味について考えていたという事を知り、勝手に理解し合える仲間を見付けたかの様な勘違いをして立ち直りました・・。このブログの存在に感謝します。なにせ、昨日の僕の落ち込み様ときたら自分で云うのもなんですが酷いものではした。たった一言、愛する妻が『飛べば』とでも云えば崖の上からでも飛べそうな気がしたくらいです。(ビルの屋上は嫌です・・)
    田原笠山さんは生まれ変われるとしたら何になりたいですか?僕はやさしい日射しが降り注ぐ丘に、一面を多い尽して太陽に向かって咲く向日葵の一本になれたらなと真剣に願っています。(天国じゃないですヨ)これが いい歳したオヤジの考えることとは自分でも情けない・・!

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    こんばんは(^-^)V
    私も月光のPV時々見て、自分の人生を振り返る事がありますよん(*_*)

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    ライン作業と言っても私の場合は食品(製パン)でしたので
    店頭に並んだ商品を見て満足感を覚えたり、逆に成型や焼きが甘い商品を見たら恥ずかしかったりした経験はあります。
    まあ半分職人の世界でしたから・・・・
    ただ年月がたつに連れてその充実感やら満足感は慣れで麻痺していきますね。やはりライン作業はライン作業ですから(苦笑)
    ちなみに私が勤めていた東京資本の製パン会社は機械化が
    あまり進んでいなかったのも幸いしたかもしれません。
    工程の所々で『職人の技術』が必要な場所がありました。
    しかし、フリーター時代に1ヶ月の短期バイトでいった名古屋資本の製パン会社は『トヨタ方式』を取り入れていたとの事

    無理無駄を省くという事で、本来は工務がする機械の補修
    (溶接も込み)を製造ラインの社員がしていたのにはびっくりしました。(おかげで工務班の人員は削減できたとの事)
    工場は土日関係なく1年365日フル稼働状態で年末年始のみが
    減産となるだけ。すべてが機械化され、その中の機械の一部として人間が組み込まれていました。その中に前の会社にあった『職人』の顔を持つ人達はいませんでした・・・・・
    各部署の事務所も物置小屋のような場所で、課長クラスは現場におらずに3階の冷暖房の効いた総合事務所にいるのも意外でした。
    前の勤め先の製パン会社は今不二家の支援に乗り出している会社ですが、そこでは工場長は現場の経験を持つ方が必ずなりますから(主に大卒ですが・・・・)。管理職は係長クラスまでは現場に入るし、課長クラスも現場近くの事務所で陣頭指揮をとっていました。社長がキリスト教の信者である事も影響していたのかも知れませんが・・・・・
    なにか話しが脱線してしまいました、すみません。

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