準社員登用試験の問題点

期間従業員で正社員登用を目指している人とトヨタとを「恋愛関係にある」と、何人もの人たちが言い、書いてきたのだけれど、そして企業と従業員の在り方なんてのも、その「恋愛関係」をいかに維持するかということに説明する人もいるのだけれど、それは少し違っていて、どうも恋愛という公平性(があるかどうかもまた別問題になって、優位性みたいなものは恋愛に確かに存在するのだけれど)のあるものではないように感じている。
両者のリビドーってのはもちろん自己利益で、それは快楽と置換しても良いのだけれど、その無限大の気持ちよさということへの欲望、というものが基にあるのではないかと思っている。
快楽だけが基本に存在してしまうと、人の禁忌なんてものはなくなってしまうのだろうし、その場所が閉鎖された場所であるのならば、禁制というものは生じ難くなってくる。というか「禁制論」で言説しているように共同体外部の喪失は禁制を生じさせない。密室の恋になってしまいタブーがなくなると、倫理観もバランスを崩してしまい、恋愛という受容関係が、一方的なものになってしまうのだけれど、それとて快楽と思い込むように、今度は心的閉塞感が生じる。
DVを考えてみれば分かりやすいのだけれど、暴力(性的暴力も)が「愛」に倒錯される。そこでは(密室なんだけれど)取引が行なわれていて、「愛」とか「恋」とか「お前のため」とかいう言葉とともに暴力が行なわれる。それは一方的に優位者から行なわれる。暴力と考え難いケース、例えば借金とかも、実はその取引で「オレ/わたしのこと愛しているのなら」というキーワードを常に抱えて、行なわれる。それも快楽に昇華してしまうに至っては数億円の規模で愛の確認作業が行なわれるのだろう。
期間従業員とトヨタとの恋愛関係は、トヨタが「世界一」になること、あるいは世の中が「トヨタ化」するということで、「密室化」しているのだろうと考えている。あるいは組合がその存在意味をなくしたときには「密室化」しやすいのだろう。密室化には「無言」ということが担保されて、そして正当化される。無言は何も当事者たちだけではなくて、例えば労基やマスコミという正義側までが保証人になるのだから。

トヨタ 期間工にもQC(自主活動)/「正社員めざすなら」と強要
トヨタ自動車(愛知県豊田市)が、業務外とされている小集団活動「QCサークル」に、正規労働者だけでなく期間工も参加させたうえ、サービス残業まで強いていることがわかりました。労働者からは、「強要はしないでほしい」「労働時間として扱うべきだ」との声が上がっています。

期間工の人たちならば「別に珍しくもない」と、QCだけじゃなくて交通安全とか総決起集会とかいろいろな行事に強制されている、もしくは出席せざるを得ない状況にされているのが実情だしね。
問題は、この次で

トヨタはこれらに期間工が参加するよう求めています。人事部の文書では、期間工に「期待する働き方」として「QC活動等にも積極的に参加する」と明記。現場でも、グループリーダーが「正社員をめざすなら、大いにQCに参加したほうが得だよ」「上もそういうふうに見てるから」と、参加を強要しています。

人事部文書で明文化されているということは少し驚いたかな。
要するに「オレのこと好きだったら言うこと聞かなきゃ、分かれるよ」なんて言ってるだけじゃなくて、「愛とは殴られて、縛られて、そして犯されること」なんて書いているようなもんじゃんね。そんな「期待する働き方」なんて期待という快楽欲望を書くってのが下品って言ってるのだけれど、おかしい?

9件のコメント

  • blank

    大河原邦男ファンさん、こんばんは。
    お久しぶりですね。
    それって、ラグビー(だったかなあ)でも言われることですよね。
    ま、軍隊でも、そういったスポーツでも、何のために闘うのかが明確化されていないと、やっぱりついていけないですよね。
    企業のためというなんだか分からない利益のために、死ねるわけないし…。ねえ。

  • blank

    先日、究極の大河原デザイン「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」をみた。
    第2話「分隊」の予告のナレーションで、こう言っていた。
    「言うなれば運命共同体。互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う。
    一人が五人の為に、五人が一人の為に、 だからこそ戦場で生きられる 。
    分隊は兄弟、分隊は家族。
    『嘘を言うな!! 』
    猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑う・・・」
    まさにTOYOTA。TOYOTAは軍隊なのだ。
    戦前の考え方で、若者がついていけるわけがない。

  • blank

    さといもさん、こんにちは。
    そうですねえ、お金になるならないではなくて、強制力がそこに働いているかどうか、ということにおいて、区別されるべきだろうと思いますし、それが業務と業務外との判断基準でしょうしね。
    体操はほとんど強制力がないのですが、おっしゃられるほとんどのことが「業務」となっている状況だと思っています。
    期間従業員の中には体操の時間を勤務時間だと思っている人がいます。というか知らなかったり。知っていたとしても、出なければいけない雰囲気、状況ですから、やっぱりおっしゃる通り「業務」という範疇だろうと思いますけれど、誰も言わないだろうし…。
    てか、トヨタ体操をちゃんとしている人をあまり見たことがないし…。知らないのかもしれないけれど…。

  • blank

    いつも感じてる事なんですが
    お金が出る勤務時間だけ真面目にやっていれば他はどうでもよいのか?
    例えば
    お金が出ないから体操はやりません
    (ひどくなると体操が終わる頃に出勤してくる)
    休憩所の4Sも一切やりません
    これでは職場がうまくいかないでしょう。
    ここで大事なのはQC、創意くふう、交通安全活動、社内行事などが
    「業務」
    になるかどうかなのですが私は運動会などを除けば業務とみなしてもよいと思っています。
    労災絡みでの判例があったからというわけではないけど研修で指導しているものを
    業務とみなさないというのは通用しないと考えています。
    本来は体操の時間も業務にしないといけないのかもしれません。

  • blank

    正男さん、お久しぶりです。
    最近は毎月提出の組が多くなったと聞いています。
    社員の方が手伝ってくれるとか、TLが助けてくれないと、いきなりだと無理ですよね。ボクのいた組はそうしてくれましたけれど。
    残業が多いときは、帰ってからなんて出来ないですよね。そんな時に、ま、大きな声では言えないけれど、けっこう助けてもらいました。
    社員の方は、そうですねえ、やっぱりそういうことで査定されるんでしょうか。言わないけれど、面倒だと思っているのでしょうね。
    ま、500円でも、ジュース代になるし…って、ねえ。

  • blank

    私の組は期間従業員も創意工夫は毎月提出しなくてはなりません。やはり寮に持ち帰って書いています。正社員の内容をたまに見るのですが1日や2日考えて書ける内容じゃないですね。やはり何日も考え抜いて書くのではないかと思います。でもそれはボーナスや年収が高額なので仕方のないことかもしれませんね。私は500円の簡単なのしかかけませんけど・・。

  • blank

    >ぐるりんさんへ
    そういう場合も聞きますよね。実際あるようだし。ま、結局、CLの指名があれば通るようですし。1割、2割って感じじゃないですか?多いと空気が悪くなるような…。
    >稀さんへ
    えっと、企業には、それぞれの文化があって、それは尊重しなければならないにしても、というのが大前提なのですが。
    入社したということは、すでに恋愛関係にある、ということで、片思いとかのレベルではなくて、もう「好きだよ」「私もよ」ってことを、誓い合っているということでしょうから。
    ですから、実際はそういう相性みたいなことがあるとしても、そこを上手く回避する手段を講じないとね。
    恋愛関係というよりも婚姻関係に相当するのだろうし…。
    創意工夫は家に持って帰って書く人がほとんどでしょうね。そういった時間を与えられていないのだから。
    それは500円という賞金と相殺されるのだろうけれど、社員の場合は2000円以上の案件、なんて言われるようですから。

  • blank

    そうさなぁ・・・・。
    恋愛。
    トヨタはある種まあ変わった職場だと思う・・・。
    が・・なんにしろ・・職場(仕事)が生理・体力的に自分に
    合うか合わないかで片思いになるか(お互いに・・)
    両思いになるか・・が決まってるような・・・・。
    実際・・ぺーぺーはQCも創意工夫も適当に出来るし時間内での作業もある・・が・・突き詰めたそれらのものは時間内では到底無理。それらのものの完成形にはかなりの時間と労力がつぎこまれ・・またそれを行うのが上手い人と下手な人で時間の差が多いのも事実。
    でも・・全部時間内だと良いな。

  • blank

    もし、縁故関係の人が正規のルートで入れないので、こういう形で入れるのが最重要目的だとしたら・・・と思う時があります。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA