タクシー代47万円…

豊橋市内のタクシー会社のノルマ(業界用語で「足」というのだけれど)は、45万円から50万円というところだろうか。会社の損益分岐点がその金額、ということだけではなくて、タクシードライバーはフランチャイズ店のようなもので、ドライバーひとりひとりの収入もその足に左右される。
給与体系の詳細はここでは書かないけれど、足を越えた営業売上に対して歩合手当が発生する。例えば60万円売上げたとして足が50万円ならば、60-50=10、10万円に対して40%~50%が歩合給として支給され、基本給プラス4万円~5万円なんて給料になる。
低く抑えられている基本給なので(10万円台、それも前半)、足を越えないことにはワーキングプアという状態になってしまう。この数年の不景気では売上げもままならず、足を切るドライバーも多いというのが、豊橋の、いや日本のタクシードライバー事情なのだ。
その足の金額とほぼ同じ、タクシードライバーが一ヶ月で稼ぐのも難しい金額、1回の乗車で47万円支払う人がいるのだから世の中は広い…。航空会社にとっては甚大な被害のあったアイスランドの火山噴火も、タクシー業界には有利に働いたのかもしれない。

タクシー代47万円で大陸移動、欧州空港マヒ – Ameba News [アメーバニュース]
「モンティ・パイソン」や映画「ハリー・ポッター」シリーズに出演した英人気コメディアンのジョン・クリーズさんが、アイスランドの火山噴火による空港閉鎖のため、ノルウェーの首都オスロからベルギーのブリュッセルまでタクシーに乗り、3800ユーロ(約47万円)を支払ったことがわかった。

「クリーズさん以外にもタクシーで大陸を移動している人は多く」ということなので、やはりタクシー会社にとっては、火山様様なのだろう。
それでも長いスパンで考えると、経済損失の後遺症によって景気が後退して、タクシー需要が減るということも考えられるので、結局は今回の増収は相殺されるのだろうと思う。経済なんてのは連鎖しているもので、突出して景況な業種なんてのはそんなにあるもんではない。
火山噴火景気はタクシー業界だけではなくて、きっと周辺の宿泊施設なんかもそうだろうし…。なんて考えると、「地震、雷、事件、事故」、人の不幸によって儲かる商売は多い。いや、世の中には人の不幸をあてにしている業種のほうが多いのかもしれない。天使とか神なんて呼ばれる人たちも、結局は人の不幸で成立していたり…。人の不幸は蜜の味、なのかもしれないね。
豊橋市民病院
夕暮れ、豊橋市民病院

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA