収入を増やすたったひとつの方法

景気はこのまま停滞するかもしれない。円高が続くと企業は海外へ生産拠点を移すことを考えるだろうし、その傾向にある。Made in Japan というブランド力も衰退している。ボクたちの生活の中からそのMade in Japan がどれほどあるのかを考えれば分かる。
タクシー利用者も、もうこれ以上増える可能性も薄い。今は老人、病人、酔っ払いの3大利用者のうちの老人と病人の利用があるので、売上の変化も顕著ではない。団塊世代の脱自動車運転が始まる頃はタクシーバブルの可能性もある。が、しかし、それ以降はタクシー業界の氷河期がきっと来る。減車だけでは追いつかなくなるだろうし、経営統合、破綻するタクシー会社も続出するだろう。きっと。
今でもパイは同じなのだ。タクシー会社と運転手はそのパイの分配を行っているだけなのだ。いかに分配率を上げるかということで、運転手は労働時間を長くする。そのことは前回、前々回のエントリーに書いた通り。その労働時間も制限があるし、今後勤務時間インターバル規制が法化されると、もう少し短くなる可能性のほうが大きい。
運転手の収入が増える可能性なんてのは少ない。困った。
その運転手の収入の話なのだけれど、収入は2種類ある。ひとつは会社からもらう給料。もうひとつはお客様からいただくチップ。バブルの頃にはそのチップで飲食費とタバコ代になったそうだ。今はというと、チップをいただくことのほうが稀というのが実情。
収入もチップも少ない、運転手は心は荒んでくる。コロ(ワンメーターとか3桁の料金)のお客様に対して不機嫌になるのも分かる。そしてコロの無線配車を受けた時にはセンターを恨みたくなる気持ちも分かる。
中には露骨にお客様に言う運転手もいる。そしてセンターに「こんなゴミみたいな仕事を回すな」なんて文句を言う運転手もいる。
でもそれで自縄自縛に陥る。自分の首を絞めることになる。コロのお客様こそ大切にしなければならないことを分かっていない。コロのお客様を大切にしていると何かの時にそのタクシー会社、あるいはタクシー運転手を利用してくれるようになる。例えば結婚式とか葬式、セントレアに行くことだってあるだろうし…。ロング(長距離のお客様)なんて、そう度々利用するわけがないのだ。
680円でも760円でも「また今度の時もお願いします」と頭を下げておけば次があるのだ。それに丁寧な接客をしていれば1000円を出して「お釣りは良いよ」という可能性も大なのだ。1000-680円=320円。320円ものチップを受け取ることだってある。そんなお客様が1日3人でもいれば、食事代に缶コーヒー代ぐらいにはなる。
そして無線配車。これも「こんなゴミみたいな…」なんて思わないで、どんな配車もキチンと気持ちよく受けていると、センターの人も気持ち良いはずだ。無線配車なんて人と人の繋がりでしかないのだから。
「こいつに配車したら何言われるか分からないしなあ」なんてセンターの人が思った時点でその運転手には配車が少なくなる。コロもあればロングもあるのが無線配車なのだけれど、その確率を自ら下げてしまっている。自縄自縛ということはそういうことなのだ。
いろいろ書いてきたけれど、タクシー運転手が収入を増やすたったひとつの理由はというと、「物事を前向きにとらえる」、これにつきると思う。特に豊橋のような待機中心の業務形態のタクシーにおいては、前向きな思考ということが収入を増やす最重要なことだと思うのだけれど。
花のつぼみ

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