勤務間インターバル規制

勤務時間インターバル規制とは「労働者の仕事が終了してから次の仕事を始めるまでに、一定時間の休息を義務づける制度」なのだけれど、EU労働時間指令では終業から始業の間に最低連続11時間の休息時間を開けることを定めている。日本では過労死なんてことがクローズアップされた始めた1993年にその基準を定めたたことを考えると、この国はまだまだ労働法というか人権に対する考え方が一歩も二歩も遅れているなあ、なんて思ってしまう。
いまだにサービス残業が問題になったりするのだから、一歩二歩どころか十歩も二十歩も遅れているのかもしれないし、もしも同じぐらいにそういう制度を、この国の多くの企業が導入していたとしたら過労死から救われた命もあっただろうし、精神疾患を患う人も少なかっただろうと思う。
サラリーマンは疲れている。それは朝の通勤風景を見れば分かる。駅への、そして駅からの行列は、まるで葬送のためのもののようにも感じる。「元気ハツラツ!」や「ファイト一発!」なんて人はほとんどいない。疲れていることがカッコいいことなのかもしれないし、それはもうファッションになっているのかもしれない、なんて思ってしまう。日本人の大好きなKY思想がそれに拍車をかける。ほとんどのサラリーマンがいつ死んでも不思議ではない雰囲気の中にドップリと浸かっているように感じる。
23時とか24時まで残業して、そして次の日も定時に来なければならないとなると、そしてそれが続くと肉体も精神も異常を来さないわけがない。
タクシー運転手にはそのインターバル規制というのが存在する。労働者全体にそういった法律による規制がないところを考えると、それは運転手の健康や命を守るためというよりも、乗客の命や交通事故による第三者の命を守るため、という意味合いが強いように思う。あるいは歩合制給料体系に起因する過労働の抑制なのかもしれない。(夢中になってやるという運転手も多い)
とは言っても、タクシー運転手の休息時間は連続8時間というのが法律によって決められている長さで、EU法の11時間よりも短い。短いというよりも、通勤時間、食事時間や入浴時間なんてものまで含まれての休息時間なので睡眠時間は6時間なんて短いものになってしまう。それで運転手の健康を維持出来るのかというのも疑問だし、乗客の命を守れる運転が出来るどころか道交法の過労運転に抵触するかもしれないなあ、なんてことも思っている。
と言っても実情は、運転手のやり過ぎ(夢中になってやるというのも含めて)防止という意味合いが強いように思う。会社が規定している拘束時間なんてのはかなり短めに設定されている。その規定拘束時間でノルマを達成出来なかったりするので、どうしてもやらなければならないという人も多いことも事実なのだけれど。
時給換算すると、どうなんだろう、800円ぐらいにはなるのかなあ。300時間働いて24万円。1日15時間ということになるのだけれど、そのインターバル規制が11時間になると、1日13時間が上限になるので1か月260時間、20万8千円。収入源になってしまう運転手も多いのだろうね。そうなると良いような悪いような…。でもそれぐらいの拘束時間で平均年収ほどになるのがベストなのだろうけれど…。やっぱり景気次第なんだろうね。
勤務間インターバル規制の意味とは – Yahoo!辞書
豊橋市役所最上階からの風景
豊橋市役所最上階から

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