無事是名馬

タクシードライバーというのは、例えば、コンビニみたいなもので、車という店舗でドライバーがその店のオーナーという仕組みになっている。収入も売上げによって決まってくる。その売上を上げるためには、稼働率を上げる、客単価を上げる、客数を上げる、なんてことが考えられる。一番手っ取り早く実行出来るのは、稼働率を上げるということ、すなわち労働時間を長くするということなんだけれど、その労働時間の上限も299時間あるいは322時間までと決まっているので、コンビニのように24時間営業なんてできない。
と言っても、その299時間とか322時間という時間は、20日勤務で1日平均15時間以上なんてかなり長時間営業になる。長時間勤務になると疲労も溜まるし、走行距離が長くなればなるほど事故の確率も高くなる。売上と事故とは比例する。
いやそうとも言い切れないのだけれど、それに事故の原因が疲労だけにあるとも限らないのだけれど、そういう傾向にあると思う。(これまたちゃんとしたデータがないのだけれど)
となると難しい。センターとしても本音は「労働時間ギリギリまで働いて営収を上げろ」と言いたいのだけれど、それは「事故を起こしてもいいから営収を上げろ」と同義になってしまう。それに事故を起こして廃車になったり、人身事故を起こしたりしては元も子もない。
高営収で無事故なドライバーが優秀なのだろうけれど、そういう人は稀なのかもしれない。でも売上=事故という関係性があるのだから、売上はそこそこで無事故なドライバーこそ最優秀なのかもしれない。無事是名馬ということになるのだろうね。きっと。

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