暴走タクシー

「急にエンジンの回転数が上がった。ブレーキを踏んだが効かず、橋の欄干に車体をぶつけて止めようとしたが止まらなかった」と、74歳のタクシー運転手が言っていることが事実だとしたら、同じ車に乗っているボクたちも同じ事故が起きる可能性があるのだけれど…。

【衝撃事件の核心】「助けて!」制御不能、暴走タクシーの恐怖 大阪・ミナミ – MSN産経ニュース
全国でも有数の歓楽街として知られ、終日多くの人々が訪れる大阪・ミナミの道頓堀で7月、歩行者専用道路をタクシーが暴走し、はねられた歩行者ら7人が軽傷を負う事故があった。

走行中にエンジンの回転数が上がる、すなわち速度が増す、そしてブレーキも効かない状態になると、加速を続けてどこかにぶつかって停まるまで走り続ける。あるいは車が動き続ける。

車はタクシー用として普及しているトヨタの「クラウン・コンフォート」で、トヨタは「これまでにリコールはなかった」とする。

「これまでにリコールはなかった」けれど、実はその危険性がある、のかもしれない。と考えるよりも、たぶん、このニュースを見た多くの人は「74歳」という年齢の危険性のほうを考えたかもしれない、と思った。
いったい何歳まで運転出来るのだろうか?
車の運転が簡単になった。ノークラ、パワステ、ABS、最近ではぶつからない車まで登場した。車の運転が簡単に、そして安全になったことで運転手の高齢化も進んだ。アクセルとブレーキを踏む力とハンドルを回す力、そしてギアやウィンカーを動かす力、それだけで運転が出来る。
車の進化が加齢による運動能力や神経能力の低下を相殺する。相殺するというか、錯覚する、「まだ大丈夫」なんて。年齢だけが安全を担保するものではないのだけれど、リスクは高くなる。70歳以上の免許証の有効期間3年も長くはないだろうか?そしていったい何歳まで運転出来るのだろうか?というよりも、どういう状態になったら運転するのが危険なのだろうか。
普通自動車免許はともかく、第二種免許についてはもう少し厳しくしてもいいのではないだろうか。ボクたちが乗っているタクシー(旅客運送事業用自動車)は毎年車検がある。3ヶ月に1回の点検も必ず行う。自動車はそれぐらい厳しく状態を管理され検査されているのだけれど、それを運転する人間の運転能力や適正なんてのは5年に1回や3年に1回という一般運転手と同じで良いのだろうかと思うのだけれど…。
今回の事故、真相はまだ明らかにされてはいないのだけれど、多くの人は「74歳のタクシー運転手」に驚いたのだろうと思う。走る凶器である自動車の運転は一歩間違えれば、いや半歩間違えればこういった事故に繋がる。どの年齢層も間違える危険性があるのだけれど、年齢が高くなるにつれてさらにその危険性は増す。
分かっているのだけれど、生活のためにしかたなかったのだろう。74歳になってもまだそういった危険な仕事に従事しなければ暮らしていけない国ってのは、本当に豊かな国なのだろうかと思う。74歳の老人が残りの余生をのんびりと暮らせる環境こそ、免許証の有効期間の改正や高齢者講習の回数を増やすということよりも必要かもしれない、そう考えている。
万灯会の灯篭

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