愛知大学裏通り

豊橋駅方面から市営栄生住宅や弥生病院、曙町や三本木に行くには、通称「愛大裏」を通ることが多い。弥生町の交差点まで南栄駅前北交差点を通るルートとの距離差は300メートルほど短いのだけれど、信号や混雑なんてことを考えるともう少し短く感じられる。たぶん、混んでなければ南栄ルートのほうが時間的には早いと思うのだけれど、信号待ちは実時間よりも長く感じられる、そういった心理状態が「愛大裏」を選択させる結果となるのだろうと思う。高師口交差点付近の渋滞を経験した人ならばなおさらのことだろうと思う。
事故というリスクを考えると、大通りを選ぶほうがそれを軽減できるのだけれど、タクシードライバーは運転のプロなので「そんな事故なんて起きるわけがない」なんて思っているお客様も多いので、やっぱり狭路の愛大裏通りを選択するのだろうと思う。
中松山交差点に抜ける「ヨシダタクシー経由ルート」にしろ「文化会館円六ルート」にしても、個人的に運転する場合は避けるルートなのだけれど、もう公認タクシールートになっていて、ほとんどのドライバーがそこを通る。近いという理由よりも「お決まり」になっているようでもある。
信号がない代わりに一時停止があるし、なによりも暗くて狭い道なので神経を使うルートなのだけれど、お客様から指定のない限り、脊髄反射的に通ってしまうようである。タクシードライバーの哀しい習性と言えるかもしれない…。
そういったルートなものでカーナビには出てこない。「距離優先」を選択してルート検索をしたところで愛大裏ルートをナビゲーションすることもなければ、文化会館円六ルートなんてのは文化会館前に来るまでルートとして出してこない。
「ナビが役にたたない」と言われる所以である。お客様によっては、特に乗りなれた「通」の人たちにとっては、寿司屋でサビ抜きの寿司が出てきたようなもの、なのかもしれない。(喩が悪いけれど)
逆に複雑なルートを出して、その「通」をうならせることもあるのがカーナビの利口なところなのだけれど…。
ルートをオーダーメイドで作ってゆく。それがタクシーなのかもしれない。結局はコミュニケーションが大切で、思い込みや独りよがりのルート選択によって時としてトラブルが生じるのだろう。一番良いのはお客様にカーナビになっていただいて「次の角を右、次を左」なんて言ってもらえると良いのだけれど。それでも、駅を出発して最初から「どっちですか」なんてことはNGだろうし…。それはきっとオーダーメイドの洋服屋さんで、「ハサミはどうやって使いますか?」なんてお客様に聞くようなものだろうし…。
愛大裏ルートのような有名なルートなら良いけれど、まだまだ知らないルートも多くて、その「ハサミはどうやって使いますか?」を言ってしまうこともあったりする。こないだの「玉川まで」と言われて「何店ですか」みたいな…。
それでもなんとかなっているのは、そしてトラブルもなくここまで来たのは、きっと運が良いのかもしれないし、奇跡なのかもしれないと思っているんだけれど…。
#先日「国府駅(こうえき)」を「小池(こいけ)」と聞き間違え駅前をUターンしたボクなのだけれどさ。
愛知大学付近のルート地図
(画像:弥生町交差点へのルート。右が愛大裏ルート)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA